『映像研』×chelmico MV監督 田向潤の「Easy Breezy」ではない制作の裏側
2021.09.10
クリエイター
この記事の制作者たち
『月刊!スピリッツ』にて連載中の漫画『映像研には手を出すな!』の作者・大童澄瞳と、登録者数160万人を超える人気Youtuberユニット・QuizKnock(クイズノック)のメンバー・山上大喜。
まったく違うジャンルで活躍し、ともに大きな支持を得ている両名の対談が実現した。
きっかけはある日の大童による「クイズノックの山上氏と話してみたいと最近思っている」というツイートだ。
クイズノックの山上氏と話してみたいと最近思っている
— 大童澄瞳/オオワラ・スミト (@dennou319) December 22, 2020
2人の心理学への関心、発達障害という共通点を通して、自分のルーツを知ること、他人とわかり合うためのクイズ的/漫画的コミュニケーション、そしてそれぞれの表現や創作論についての対話を前後編でお届けする。
前編では、クイズと漫画という互いの領域を通して、自分を知ること、他人を知ること、わかりあえなさを乗り越えるヒントを探っていった。
構成・執筆:ヒラギノ游ゴ 構成補助:赤井大祐 取材・編集:和田拓也
目次
- 自分のことを知るために、科学の方法論を頼った
- 『Among Us』『水ダウ』でも、人間の認知は曖昧だった
- 『映像研』の世界観の裏にあった、「学習障害」への誤解
- 「障害」は、体ではなく社会の中にある
- わかりあえなさを埋めた、「絵を描く」というコミュニケーション
- 「わかりそうでわからない」のが、クイズのコミュニケーション
- 作る側にとっての、「クイズの喜び」
大童澄瞳(以下、大童) 僕がどうして山上さんと話してみたいと思ったかというと、僕が今まで観てきたクイズ番組と大きく異なるQuizKnockのクイズのスタイルに惹かれたんです。
山上大喜(以下、山上) ありがとうございます。
大童 そんな中、「東大生ならどっちを取る?究極の2択大激論!」という回で「押したらこの世のすべての謎が解けるけど、それを誰にも伝えられないボタンがあったら押す? 押さない?」という究極の選択が出題されたんですが、山上さんの「自分のことを完璧に理解することが目的なので、自分のことがわかっていればそれで充分」という回答がとても印象に残っていて。
大童澄瞳/対談はオンラインにて行われた
山上 得た知識を誰にも誰にも伝えられなくても、知ることに意義はあるのかって話でしたね。社会に関することだったら伝えられなくちゃ意味がないという気持ちはもちろんあるんですけど、どっちかしか選べないなら、僕はボタンを押すかなって。
大童 僕は数年前からいろんな人に話を聞いて、その人が許すならば、生い立ちやバックグラウンドを知るということをやっていまして。
というのも、僕は子供の頃から発達障害の診断のために病院に通っていたんですけど、僕以外の家族もみんなそれぞれ何かしらの障害を持っていて、全員が障害者手帳を持っている一家なんです。
そういう中で家族が自然と心理学に興味を持つようになって、僕も自分のこと、自分の障害のことを知ろうとするなかで、心理学を学びクイズの作問者でもある山上さんの話を聞いてみたかったんです。
山上 『映像研』めちゃくちゃ好きなので、すごく嬉しいです。
山上大喜
続きを読むにはメンバーシップ登録が必要です
今すぐ10日間無料お試しを始めて記事の続きを読もう
残り 9509文字 / 画像7枚
800本以上のオリジナルコンテンツを読み放題
KAI-YOU Discordコミュニティへの参加
メンバー限定イベントやラジオ配信、先行特典も
※初回登録の方に限り、無料お試し期間中に解約した場合、料金は一切かかりません。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。