CHICO CARLITOが、麻雀と酒浸りの生活から抜け出してラッパーとしてステージに戻った日
2022.12.04
ラッパー/プロデューサーとして、ヒップホップシーンでの活躍はもちろん、時折出場していた「フリースタイルダンジョン」やMCバトルでも強烈なインパクトを残し、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEや「ヒプノシスマイク」への詞や楽曲提供など、多岐に渡って活躍しているELIONE。誰も知らない、その素顔について。
クリエイター
この記事の制作者たち
ラッパー/プロデューサーであるELIONEという多才かつ稀な才能の持ち主がどのようにして誕生したのか。
一時期メディア露出を控えていたELIONEの明かされなかった99%について紐解いてきた。
ここからは、NYでヒップホップを目撃した彼が、沼津を離れて東京で勝負をかけてから現在の活動に至るまで、そして同じ87年世代の綺羅星の如く輝くラッパーたちとの交流、彼自身のラッパーとしての矜持、将来像について迫る。
目次
- ヒップホップで食べていきたい──寸暇を惜しんで働き、音楽に打ち込む日々
- SALUやTKda黒ぶちら87世代や、CHICO CARLITOとの出会い
- RYKEY「おめでとうございます、あなたは本物のラッパーです」
- 「フリースタイルダンジョン」で訪れた転機 音楽で食べていく生活
- 日本初? ラッパーがクラファンでアルバム制作
- 「BACHLOGICやJIGGと曲をつくる」有言実行した現在
- 「『こうじゃなきゃダメだ』とは言いたくない」
- 音楽も服も、文脈を繋げる
- CHICO CARLITOプロデュースにPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEへの歌詞提供 クリエイティブの基準
- いくつもの視点を持つ、ELIONEの特異性
- ヒップホップにおいて、今までナシだったことがアリになったらいい
2011年、知り合いもほとんどいない東京に出てきたELIONE。すでに25歳を迎えていた。生活費を稼ぐため、寝る間も惜しんで働く日々が始まる。
「昼間は解体の仕事をして、夕方から夜中までは居酒屋で働いて、仮眠をとって、また解体の仕事へ行っての繰り返しでしたね。休みの日は、カフェで働いてました。お金を貯めていたんですよ」
ヒップホップで食べていきたい──その一心が彼をここまでハングリー精神旺盛な状態にしていたのだろう。
筆者も解体を生業としている方を知っているが、その誰もが腕っぷしの強そうな猛者ばかり。相当な体力が要求される仕事であることは想像に難くない。そんな生活を数ヵ月も続けていたというのだから、ELIONEの熱量が伝わってくる。
多忙を極めたある日、ELIONEが上京する時に解散した沼津のクルーの一人、後輩DJから連絡が入る。音楽機材を並べられる大きめの部屋を2人で借りてシェアしないかという提案だった。働いて貯めた金で元手は十分だった。乗らない手はない。
東京に出てから必死に働いて貯めた金で購入したPCやマイク、DTMソフトを使い、ビートメイク・オリジナル楽曲のデモ制作を本格的に始める。
彼と同世代には、強い存在感を放つラッパーが多い。SALU、RYKEY DADDY DIRTY、YOUNG FREEZ、JAZEE MINOR、孫GONG、TKda黒ぶち……。思い浮かべただけでも、各自のスタイルがあって個性が溢れている。
それぞれとの出会いについて聞くと、懐かしむように語ってくれた。
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