カバー社の下請法違反報道への違和感──関係者やクリエイターらが語る、VTuber業界の“実態”
2024.12.13
ラッパー・ハハノシキュウが出場MC目線で綴ったMCバトル大会「口喧嘩祭 vs 戦極MCBATTLE at Zepp Nagoya」。
「MCバトルシーンにおける振る舞い方の答えなら出ている。そして、その答えは間違いなくクソだ。僕はそう思う」
クリエイター
この記事の制作者たち
さあ お前も今日から大衆だOMSB『大衆』
気付いたら周囲で『HUNTER×HUNTER』の続きを追っているのが自分だけになった。
追っているはずなのに、なぜか取り残されたような気分になる。
同じように、MCバトルを観続けている人も、出続けている人も、僕の半径にはほとんどいなくなった。
答えなら出ている。
MCバトルシーンにおける振る舞い方の答えなら出ている。
どんなバトルをするべきか、その答えなら出ている。
そして、その答えは間違いなくクソだ。
僕はそう思う。
もしかしたら前置きの方が長いかもしれない、そんな前置きから始めたいと思う。
目次
- ハハノシキュウとして“仕事をする”相手と当たる確率は、25%だった
- 「口喧嘩祭 vs 戦極MCBATTLE at Zepp Nagoya」でのお題は「楽に勝つ」
- 言語優位か、ビート優位か フリースタイル中の脳内
- ハハノシキュウが望む未来のために、必要不可欠なたった一つのスタイル
- 「楽をしたい」から練習する
- 「対戦カードはその場でくじ引きで決定」ルールの緊張感と気楽さ
- 上がっていく当選確率と、強まっていく“予感”
- 予想だにしない対戦相手と、予想通りの展開
- 言語的『負けヒロインが多すぎる!』か、ビート的『サイレントヒル』か
- 観客に期待された悪口と、ハハノシキュウがそれでも模索した“持ち味”
- MCバトルの“答え”と、今シーンを支える“観客”の正体
- 正解なんてクソだ。けど、加速する時間の流れは誰も待ってはくれない
出場MCである以前の一視聴者として今年のMCバトルイベントを俯瞰するに、11/30に行われた「口喧嘩祭 vs 戦極MCBATTLE at Zepp Nagoya」のメンツは「BATTLE SUMMIT II」を除けば、バトルファンが納得できるものだったと思う。
マンネリ気味というか「予想外」という言葉の輪郭をなんとなく「予想」できてしまえるような昨今のバトルシーンにおいて何か「大きなニュースになりそうな」予兆があった。
出場者目線だと、Novel Coreと孫GONGのどちらかと当たったらとりあえず仕事としては完遂に近い趣きがある。あとは、そんなに話題にはなっていないが僕が「CIMAやMOL53と当たった時にどうなるか?」という引力は少なからずある。
今回の大会ルールは12名ずつ「戦極軍」と「口喧嘩祭軍」に分かれたBOXからクジを一枚ずつ引いて対戦相手を決めるというものだ。
僕は「戦極軍」で、孫GONG、CIMA、MOL53は「口喧嘩祭軍」である。
つまり、確率的には3/12、つまり25%の確率でYouTubeに上がりそうな(もしくは伸びそうな)バトルができるという算段なわけだ。
言い方を変えればこれはチャンスのようなもので、自分に対する見方を変えてもらえるかもしれない、プロップスが上がるかもしれない、そんな大事な局面と言える。
あっ、そうだ。
この文章は有料記事であるため、冒頭部分しか無料で読むことができない。
その無料部分に無理矢理でも捩じ込んでおかないといけないことがある。
と言ってもそれは問題提起とかそういうのではなくて、シンプルに梵頭さんの労働密度の高さを世間に伝えたいのだ。今回は戦極との共同主催ではあるが、オーガナイザーの立場でありながらラッパーとしてライブにもバトルにも参加していて、裏回しに加えて物販のタイムキーパーまでフル稼働なのである。(ちなみに岐阜で行われている通常の口喧嘩祭にはアフターパーティーもある)
特に物販では、お客さんを一度退場させてから人口密度を調整しながら順番に再入場してもらう流れだったため、梵頭さんは全てのお客さんがなるべく物販に足を運べるようスタッフに外の様子を確認しながらアナウンスをしていた。
バトルの後にDOTAMAさんが同じようなことを言っていたためなんとなく聞き覚えがあるかもしれないが、とりあえず僕の口から「あれはマジだから、梵頭さんが頑張ってるのはマジだから。応援してあげて!」と後押ししておきたい。(あっ、もちろん、正社員さんもだけど)
前回、僕は戦極35章にて、特に何もできずに深く考えたくない気分を持ち帰った。
MCバトルに出ること自体が形骸化してしまってるのは割と受け入れていて、そこまで気にしていないのだけど全くもって勝てないのはさすがに嫌気がしている。
すごくシンプルだけど、勝てば楽しいし、負けたら悔しい。
どうせ仕事するなら勝ったほうがいいに決まっている。
というか、負け癖がつき過ぎるとステージに上がった時、観客に「何かが起きそうな感じ」を抱かせることができなくなる。
多分、僕の長所は「相手が誰であれ勝つ可能性がゼロじゃない」ところだと思う。
それがゼロだと思われたら出る意味がないし、そもそも呼ばれなくなる。
というわけで今回は勝つ方法を考えてみたわけだ。
と言っても普通に勝つ方法ではない。
今後「楽に」勝ちやすくする方法である。
冒頭で少し触れたが、今回のメンツは場合によっては美味しい場面をつくることのできる絶好の機会だ。
これをどう消化するかが鍵と言える。
となると、学校のテストのようにヤマをかけて言いたいことを決めておくのが正攻法である。
しかしながら僕は、どうしても「楽をしたい」と考えている。
言いたいことやパンチラインを用意したり、作戦を立てるのははっきり言って疲れる。ネタをつくらないにしても勝てそうな角度を考えたり、相手にマウントを取れそうな場所を探したりしてしまう。
僕が望んでいるのは、そういうのを白紙にしても実力以上のパフォーマンスを生み出せる何かである。
フリースタイルには大きく分けて2種類の作法がある。
一つ目は人間との対話である。
つまり、言語優位のフリースタイルだ。
一番オーソドックスなのは、相手の言った言葉を拾って韻を踏んで返すことだ。その時に4小節目と8小節目にオチをつくるのが味噌で、そのため最初の2小節くらいを抽象的な言葉で踏んで、緩急をつけたりする。といった脳トレに近いやり方だ。
他には揚げ足を取るとか、マウントを取るとか、言葉遊びを入れるとか、そういう脳の動かし方である。
さて、二つ目にあたるのがビートとの対話である。
つまり、音楽優位のフリースタイルだ。
砕いた言い方をするとフロウに特化したやり方だ。
ただし、このやり方にはスキャットやマンブルに近い、音像だけを聴かせる時間を設ける人が多い。
前者と後者の一番の違い。
これに気付いている人は少ないと思う。
続きを読むにはメンバーシップ登録が必要です
今すぐ10日間無料お試しを始めて記事の続きを読もう
800本以上のオリジナルコンテンツを読み放題
KAI-YOUすべてのサービスを広告なしで楽しめる
KAI-YOU Discordコミュニティへの参加
メンバー限定オンラインイベントや先行特典も
ポップなトピックを大解剖! 限定ラジオ番組の視聴
※初回登録の方に限り、無料お試し期間中に解約した場合、料金は一切かかりません。