Column

  • 2023.08.20

“二次創作で数字を稼ぐ”が当たり前になった現在──YouTuberスパイダーメーンから考える

“二次創作で数字を稼ぐ”が当たり前になった現在──YouTuberスパイダーメーンから考える

「スパイダーメーン」の正体を明したヴァンビさん/画像は本人のXアカウントから

クリエイター

この記事の制作者たち

日本国内最速記録となる、YouTubeでの活動開始から374日でチャンネル登録者数1000万人を突破した「スパイダーメーン(spider-maaaaaaan)」。

「If I reach 10 million subscribers, I will take off the mask.(登録者1000万人でマスクを外します)」と宣言していたが、8月5日、その正体がYouTubeコンビ・ヴァンゆんのヴァンビさんであると明かされた。

ヴァンビさんは同日公開されたYouTuberのヒカルさんの動画に出演。1時間近い動画の中で、「スパイダーメーン」として水面下で活動してきた約1年強の裏話やその狙いについて語りつくした。

今回の記事では、その動画の中でのヴァンビさんの発言を踏まえつつ、なぜ「スパイダーメーン」が国内最速記録を更新できたのかを考察する。

目次

  1. ノンバーバル(無言語)なショート動画で人気となった「スパイダーメーン」
  2. 「誰もじゅんやを追い越そうと思わないなら俺が追い越そう」
  3. ヴァンビ日本の有名人が動画を投稿しても「海外にリーチしない」実情
  4. スパイダーマンに扮した理由は「海外でリーチされた時に初見でも食いつくから」
  5. 数字や人気を伸ばす手法としての二次創作
  6. スパイダーマンに対しヴァンビ「逆に宣伝するんで払ってほしい」

※本稿は、KAI-YOU.netで2023年8月15日に掲載されたものをアーカイブ配信している

ノンバーバル(無言語)なショート動画で人気となった「スパイダーメーン」

「スパイダーメーン」の最も再生されているショート動画

「スパイダーメーン」は、2022年7月10日からYouTube ショートやTikTokへの動画投稿を開始。執筆現在時点で投稿された動画は、計1000本を突破。総再生回数は80億回を越えている(現在、チャンネル登録者数1170万人)。

現在、日本国内のYouTubeチャンネル登録者ランキング上位4位までにランクイン(※)しているじゅんや(Junya)さん、さがわ(Sagawa)さん、バヤシ(Bayashi TV)さん、ISSEI(いっせい)さんと同じく、ノンバーバル(=言語に頼らない)で、シンプルに面白さが伝わる動画を強みとしている。

スパイダーマンのコスプレ衣装で活動する「スパイダーメーン」。その覆面の下の正体を明かして以降もチャンネル登録者数を伸ばしており、はじめしゃちょーさん(現在1060万人)やHIKAKINさん(現在1160万人)を超えたことでも話題になった。

(※)出典:ユーチュラ(外部リンク

「誰もじゅんやを追い越そうと思わないなら俺が追い越そう」

ヴァンビさんとヒカルさんの対談動画

ヒカルさんとの対談動画の中、「スパイダーメーン」としての活動をはじめたキッカケについて、「じゅんやが出てきた(編注:日本国内のYouTubeチャンネルで1位になった)時に、もう衝撃を受けたんですよ!」と語るヴァンビさん。

生粋の(いわゆるマルチクリエイター系の)YouTuberの間では、じゅんやさんはTikTokerだから、Shorts動画だから別ジャンルという風潮がある中で、ヴァンビさんは「誰もじゅんやを追い越そうと思わないなら俺が追い越そう」と決意したのだという。

ヴァンビ日本の有名人が動画を投稿しても「海外にリーチしない」実情

現在、日本国内のYouTubeチャンネル登録者数1位のじゅんやさんで最も再生されているショート動画

その上で、ヴァンビさんはじゅんやさんやさがわさんのようなTikTokerたちが急に海外でのチャンネル登録者数を伸ばした理由について、次のように分析している。

10日間無料でおためし

STEP 01

アカウントを作成

STEP 02

お支払い情報を入力

STEP 03

サブスク登録完了!

NEXT PAGE

スパイダーマンに対しヴァンビ「逆に宣伝するんで払ってほしい」