NFT専門家にぶつけた11の質問 NFTはポップカルチャーに何をもたらすか?
2022.06.14
2020年に現れ、瞬く間に歌姫として階段を駆け上がっているアーティスト・LANA。LANAとは何者なのか? 彼女はどういった文化圏をつくったのか?
気鋭ライター・つやちゃんが綴る、ヒップホップから飛び出した歌姫の誕生秘話。
クリエイター
この記事の制作者たち
「自分って誰なんだろう、自分はどこにいるのだろう、と考えないわけじゃないです。でも──」
LANAとは何者なのか、LANAが起こしている現象とは一体何なのか──。本人の口から語られる学生時代や家族との波乱万丈なエピソードによって、徐々にその実像が浮き彫りになってきた。
彼女の新しさについて、前編では「アメリカ西海岸で育まれてきたようなギャル文化のバイブスを国内の湘南において形成してきた」「日本的ギャルと欧米的ギャルの融合を果たした」点を挙げたが、後編ではその中身を交友関係やライフスタイル面から探っていこう。
目次
- 型へのハマらなさ──ハイブリッドDIVA・LANA
- LANAが大切にしている「キラキラ感」の正体
- 「自分を守るためにも、全部見せる」
- トレンドに敏感、だけど自分の審美眼を絶対的に信じる。
- LEXとLANAの役目
- ヒップホップコミュニティにこだわらず、疎外もされない存在感
- LANAの「99」リリース記念のサイン入りチェキを2名の方にプレゼント
ヘアメイク:Mari Enda スタイリング:ai suganuma
実際、メディアでも“ギャル”という枕詞とともに紹介されることが多い彼女だが、本人としてはどのように考えているのだろうか。訊いてみると、LANAは笑って話してくれた。
「さっきもメイクさんと話してたんですよ。『私は何ギャルなんだろうね?』って。友達は黒ギャルもいて白ギャルもいてお姉さんギャルもいて、自分は何に近いんだろうって考えたら、海外系ギャルなんじゃないかと思ったんです。
海外のファッションを日本の色にアレンジする感じ? でも、私ってやっぱりヤンギャル(ヤンキーに影響を受けたギャル)時代の濃い化粧の雰囲気が残ったまま海外風をやってたりもするから、ハイブリッドなんですよ」
ヤンギャルが海外要素を吸収した結果の、ハイブリッド・ギャル──たとえば昨今グローバルで支持を高めているヒップホップ/R&Bグループたちも海外と国内のギャル要素をミックスしているが、どちらかというとその傾向はY2Kのカラフルなトーンが強い。
一方で、LANAの場合はもっと日本の土着的な文化がルーツにあり、コブシを効かせた演歌調の歌唱法がより一層その部分を際立たせていたりもする。その土着性は、前編で語られていた通り、地元のギャルやヤンキーと交流してきたことで形成されたのだろう。

地理的に見ても、LANAの出身である場所は、海側の茅ヶ崎や藤沢と山側の海老名とも違い、湘南の中でも様々なエリアへと行きやすい土地だが、だからこそ彼女は色々な場所へ交友関係を広げ、影響を受けて来た。
「湘南はめっちゃギャルいますよ。私が住んでたところは、ギャルというよりもなんだか恐い女の人が多い。挨拶しても無視されたり。茅ヶ崎の方になると海とギャルが混ざった感じ。藤沢になると、とんでもなくサグいギャルがいる(笑)。その2つは意外と違いがはっきりしてるんですよ。私は全部の場所で遊んでました。でも、自由人だからどのギャルにも当てはまらなかった」
今では都内でも遊ぶようになったが、東京の女の子を見ていると地元とは全く違うと感じるらしい。LANA曰く、地元の方が「土臭い」。東京で遊ぶ時も地元からいろんなタイプのギャル友達を呼ぶそうだ。ちなみに、「L7 Blues」のMV撮影ではジャンル違いの仲良いギャルが神奈川から集まってくれた。
「I can't go back, I can't go back, Fuck rules! 戻れないてか戻る気ないわ My teenage vibe, ain't nobody stop me」というフックの歌詞の通り、疾走感あふれるバイレファンキのリズムとともに、MVでは友達と日常を駆け抜けていく活き活きとした姿が捉えられている。
他にもメンフィスラップにジャージークラブに……「いろんなジャンルのギャルと遊んでいた」ことと同様に、LANAのビートは多種多様でどの曲もバラバラだ。おそらく、音楽性にしてもギャル性にしても、“これ”といった型を決めつけずに色々なものを楽しみ吸収することでハイブリッドな彼女特有のカラーが確立されているのだろう。
とは言え、あらゆるものを取り入れつつも、そこには何かしらの軸があるはずだ。LANAがこだわっているテーマは何なのだろうか?
彼女はそれを、「キラキラ感」だと語る。
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