崩壊したVTuber事務所ライヴラリ代表が語る「誰にも想像できないゴール」とは?
2024.04.30
クリエイター
この記事の制作者たち
段々と日が落ちてきた。周りが薄暗くなり、ralphの鋭い眼球が暗闇の中で光る。通常、アーティストへのインタビューというのは1時間程度で行なわれることが多いが、今回は3時間にも及んだ。普通であれば話さないようなことも、徐々に空気がほぐされていくことで少しずつ口を開いてくれる。
そうなってくると、次に訊きたいテーマとしてはやはり楽曲制作についてだろう。どのようにリリックが書かれているのか、超絶的なラップスキルはいかにして生まれているのか。“硬い”日本語に見出す楽しさとフロウへの洞察、ラップの語彙における“軽重”の層、脈絡を超える「絵画的」な言語と「小説的」な自身の言語の違い、文脈を紡ぐ楽曲とパフォーマンスの映画的なストーリーテリング──。謎に包まれた曲づくりの詳細に踏み込んでいくと、自身を「言語に頼るラッパー」と位置付け、音と言語の構造分析を好むという、ralphならではの論理と感覚の絶妙なバランスが明らかになっていった。
目次
- ”カクカク”した日本語とUKドリルの親和性
- ラップの語彙には、“軽さと重さ”の層がある
- Through readiness and discipline we are masters of our fate.(準備と訓練で運命を支配する)
近年、ラップの制作方法は劇的に変わったと言われている。実際、特に若いラッパーに話を聞いていると、多くがフロウからつくっていることを打ち明ける。これだけラッパーの数が増える中でいかに目立つラップをするかとなると、まずフロウの特異さで耳を引くのがもっとも有効なアプローチのひとつではあるだろう。ストリーミングで流行のヒップホップのプレイリストを開けば、とにかく日本語を崩してまで、フロウの面白さを貪欲に追求するラップを数多く耳にすることができる。
一方、ralphは「ライブでできないフロウは音源でもしないことを前提にしている」という。それは自らを“言語に頼るラッパー”であると位置付ける彼だからこそのこだわりだろう。そして音や言語の構造分析を好むという彼からは、日本語のフロウに関する独自の視点が語られていく。
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