若いオタクはアニメからVTuberに流れたのか? 7つのポイントから考察
2022.07.31
インターネットはグローバリズムを加速しただけではない。結果として分断されたカルチャーやジャンルが確かに存在する。
それらを再び繋ぎ直す補助線。
クリエイター
この記事の制作者たち
YouTubeやSoundCloud以降、欧米のインディーレーベルや、レーベル未所属のアーティストが急増。日本にやって来ない大型Webサービスも数多く、しかもプロモーションの方法が激変したため、日本には一部の界隈の情報が入り難くなっています。
一方で、欧米では非常に奇妙で新しい、“ムーンサイド”としか形容できないシーンがボコボコとものすごい勢いで乱立。中には、インディーゲームシーンやグラフィックデザイン、巡り巡って日本のイラストや映像にまで影響を与え始めているシーンまでも登場しています。
この連載では、そんな「ムーンサイド」な海外の音楽事情をご紹介。前回は、ナードな音楽とインディーとの蜜月の様子から、インディーエレクトロニック(Indie Electronic)と呼ばれる音楽ジャンルを取り上げました。
ちなみに、このインディーエレクトロニックなどと呼ばれていたジャンル一帯は、ここ2年の間にすべて「シンセポップ」という呼び方で統一されたようです。 80年代に隆盛した「シンセポップ」のリバイバルという位置づけです。
今回は、「ドリームポップ」という音楽の潮流から、インディーゲーム音楽との関わりまでを見ていきます。
執筆:AnitaSun 編集:新見直
※本稿は、2015年11月に「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
目次
- インディーレーベルへの移籍が急増
- ドリームポップからチルウェイブへ
- インディーゲーム事情と、インディーゲームのBGM
- 一方そのころ、日本では……
前回、前々回でもご紹介いたしましたが、00年代終盤、商業的にも、そして音楽的にも新たな音楽シーンが、ネット上で芽生えました。
その流れに感化されるメジャーアーティストも現れ、あえてインディーレーベルに移籍し、自分自身の手で制作からプロモまでを自前で行い始めます。
たとえば、Björk(ビョーク)や元The White Stripes(ザ・ホワイト・ストライプス)のJack White、Trent Reznor(トレント・レズナー)、Metallica(メタリカ)などがその例。
実を言うと、結局は宣伝などの“音楽制作以外の作業”に飽き飽きして、メジャーに戻ってしまったアーティストが多いのですが、とにかく2010年前後はメジャーアーティストのインディーへの移籍が目立った時期でした。
Björkの『Biophilia』は、世にも珍しい「iPadアプリケーション」アルバム(当時iPadが発売されたばかりでした)。メジャーとインディーのそれぞれの体制のいいとこ取りをして、ようやく実現したのだとか。
このフォントや映像…!
2012年、Jack Whiteがメジャーから、久々のインディーに帰って活動を行った拠点は、Jack White自身が立ち上げに関わったインディーレーベル「Third Man Records」。
彼が2012年に発表した限定Vinyl盤シングルの「Freedom At 21」は、大量の風船にビニールレコードをくくりつけて空に飛ばして配布したという、何ともインディーらしいDIY精神に則ってリリースされた作品でした。
その一方で、むしろメジャー・インディーどころか一切の商業レーベルに所属しない、完全独力のアーティストが増えたことも、特筆に値します。
例えば前回ご紹介したRonald Jenkeesがその例です。
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