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  • 2019.06.12

SoundCloudでは捕捉できないインディー音楽

2007年当時、SoundCloudがインディーズシーンを含めたクラブミュージックを展望するのに一役買っていた。

では、オルタナロックは? オルタナポップミュージックは? インディーエレクトロニックは? ある時期、インディー音楽の縮図だった「thesixtyone」を悼む。

SoundCloudでは捕捉できないインディー音楽

クリエイター

この記事の制作者たち

Webサービスの隆盛によって欧米のインディーシーンで生まれた、非常に奇妙で新しい“ムーンサイド”な海外の音楽事情。

前回は、実際の音楽ジャンルを掘り下げるにあたっての注目サービスなどを総ざらいしましたが、今回は実際の音楽シーンの紹介に入ります。

執筆:AnitaSun 編集:新見直

※本稿は、2015年3月に「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの

目次

  1. SoundCloudでは捕捉できない、ロック・ポップの流れ
  2. ナードとインディーのハネムーン
  3. Indie Pop/Rock + 電子音楽 = Indie Electronic
  4. ソウル・ブラック側にも飛び火!
  5. おまけのカントリーミュージック(これはムーンサイドだ!)

SoundCloudでは捕捉できない、ロック・ポップの流れ

thesixtyone

thesixtyone/運営当時のスクリーンショット

音楽投稿&投票合戦サイト「thesixtyone」(※2017年5月をもってサービス終了)。

2007年当時、SoundCloudがクラブミュージックを展望するのに一役買っておりましたが、一方でこのthesixtyone、新デザインとなって以降は大分落ち着いてしまったものの、まさに「インディー」音楽の縮図となった、非常に価値のあるサイトです。

サービスの内容はいたってシンプル。アーティストは楽曲を投稿し、ユーザからのハート(いいね!)を集める合戦を行うというもの。

ユーザは、ハートをつけるごとにRPGのように経験値が溜まって「レベル」が上がっていくほか、まだハートの少ない曲に経験値をベットすることで、将来ついたハート分をまるまる経験値としてゲットできるゲーム要素が特徴的です。

このサービスがなぜ新しい音楽シーンの発信拠点になったのかについて一つの要因をもって分析するのは難しいですが、新しい音楽シーンを展望するのにちょうどいい場所だったことは確かです。

当然インディーの花形であるオルタナ系のロック・ポップミュージックや、ソフトロックなどがその投稿の中心ですが、“地元では根強いらしいもののなかなか日本では生息確認ができなかった”最近のカントリーや、SoundCloudにはついぞ投稿されない“お洒落じゃない側(!)”のヒップホップなども大量に投稿があり、なかなかカオスな味わいがあります。

中でも、今後紹介していくことになる、狂気をはらんだ“ムーンサイド”な音楽の源流になる音楽として、いくつかの新しい音楽の芽が登場しました。

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