同人音楽の中の民族音楽
2020.08.07
“ムーンサイド”とは、任天堂のRPG『MOTHER2』に登場する、“RPG史上最強の狂気の場所”としても知られる例のエリア。
日本には届かない、“ムーンサイド”としか形容できないような、奇怪な進化を遂げた海外音楽を巡る旅。
クリエイター
この記事の制作者たち
「愛新覚羅溥儀」の名義で活動もするITエンジニア・作曲家で、同心サークル「Bitplane」を主宰するAnitaSunさん。
2014年4月にWebサービス「同人音楽超まとめ」をリリース、同年11月にはpixivと共同でWeb同人音楽即売会「APOLLO」を主宰するなど、テクノロジーと音楽のフロンティアを開拓し続けてきた存在だ。
この連載ではそんな彼が、日本以上に奇怪な進化を遂げていた海外音楽シーンを“ムーンサイド”と名付け、その奇妙奇天烈な旅に誘う水先案内人をつとめる。
執筆:AnitaSun 編集:新見直
※本稿は、2014年7月「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
目次
- 「ムーンサイド」な文化のあらまし
- まず聞いておきたいムーンサイドな楽曲たち
- 事前に知っておくべき、驚くほど知られざること
- なぜ、海外音楽の情報が日本に入りづらいのか
丁度YouTubeやSoundCloudといった楽曲やMVが視聴出来るWebサービスが全盛を迎えるのに伴って、日本のメディアやレコードショップに対して海を越えてデモ音源を送ってくる欧米のインディー(≠ズ)レーベルの割合はめっきりと減りました。
※この場合の「インディー」という用語は、欧米では、広義にはDIY的に活動する音楽家のシーンのことを指すが、音楽ジャンル的にもオルタナ・ソフトロック・クラブの「色」がついた用語で、ジャンル名でもある。日本の「インディーズ」とはまた大分違ったサウンドである
さらには、まるで日本の多くの同人音楽のように、インディーレーベル(法人格)にさえ所属せず、完全に個人の独力で活動をするアーティストも増えています。
このような流れも影響してか、一部のクラブ系の音楽を除いて、海外からのアンダーグラウンドな音楽の情報がめっきり減ったものの、欧米では非常に奇妙で新しいムーンサイドなシーンがボコボコと、ものすごい勢いで乱立しつつあります。
日本では2007年以降、初音ミクなどを中心に音楽ビジネスの構造が大きく変化しました。
時を同じくして、あちら側の国々でも日本のシーンとは異なる劇的変化があり、ここ数年の音楽事情の動向を追っていない方々にとっては、きっと唖然とするに違いない状況が広がっています。
中には、家庭用ゲーム機への対応などでますます広がるインディーゲームシーンやグラフィックデザイン、巡り巡って日本のイラストや映像にまで影響を与え始めているシーンまで登場しはじめており、全く目が離せません!
ということで、これからこの不思議な“ムーンサイド”な海外の音楽事情を、順を追ってご紹介していきます。
この連載では、およそ以下のような音楽を紹介します。各曲については後々、回を重ねながらきちんとご紹介しますので、まずはさらっと流してお聞きください。
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