VRChat隆盛の転換点「スタンミ世代」の現在──初訪問から現在までの足取りを聞いてみた
2026.01.05
クリエイター
この記事の制作者たち
「自作シール」とは、文字通り「(おまけ風シールを)自分でつくったシール」です。
80年代に大ブームを巻き起こしたビックリマンシールをはじめとしたお菓子のおまけシールが、リアタイではキッズだった作家たちの「純粋にカッコいいシールをつくりたい」という強い衝動と30年越しに磨かれた技術によって、この令和の時代に圧倒的な進化を遂げ、静かに、しかし凄まじい熱量を持って続々増殖しているんです。
前回は自作シールの前史として、ビックリマンシールを中心にメインストリームであるオマケシールのことと、自作シールシーンがどのように誕生したかを書きました。
今回は自作シールシーンの成熟期と呼べる2010年代から現在に至るまでのお話をしながら、注目の作品などを紹介していきたいと思います!
監修:UN21(@un2110)
2000年に勃興した自作シールシーンはゆっくりと拡大し、ついに2016年、自作シールの祭典とも言うべき第一回『さん家祭り』が始まります。
自作シールを取り扱ってきたエンタメよろず屋・まんだらけが販売・交換・交流を目的に主催する自作シールイベントで、初回から30サークル以上が出展するという大変な賑わいを見せました。
さん家祭り 当日のサークル様の配置図公開しました。
開催までいよいよ1週間切りました!(田)https://t.co/ub8WsmIOIn pic.twitter.com/No6Ltrsmfs— ◉シール横丁◉さん家祭り実行委員◉ (@sanchimatsuri) August 2, 2016
以降もまんだらけさん主催で開催される『さん家祭り』ですが、このイベントにつながる重要な即売会が2つあります。ひとつは2014年に関西で開催された「最狂!らぶカードしーるFes」、もうひとつが2016年初頭に東京で開催された「百鬼夜GO!」です。
この2つのイベントは、印刷業者を巻き込む形で開催され、入場券には大量のオリジナル自作シールがセットでつきました(らぶFes25枚、百鬼35枚!!)。これには印刷業者のプロモーション的な側面もありました。業者さんの企業努力や技術革新によって、この頃から個人サークルレベルでのシールの大量発注が可能になったことも、自作シールシーンが広がっていく大きな要因だったと言えます。
このような大規模イベントは、自作シール作家にとって初めての天下一武道会的なステージでした。作家のボルテージの高まりは作家同士の競争を加速させ、結果として全体のレベルが大幅に向上していったことが当時の作品をみると伝わってきます。
この時期になると、ビックリマンのフォーマットを大きく逸脱するイレギュラーなシール、ポストモダン的な作品、集団での実験的なコンピレーション企画なども出現。シーンの成熟を物語っています。
そして、この2つのイベントの成功を目の当たりにしたまんだらけさんが、いよいよ自作シールの祭典『さん家祭り』を開催することになります。
今最前線で活躍されている作家さんたちの多くは、この時期にはすでに頭角を現しています。2000年の勃興期を第1次自作シールブームとするならば、この時期を第2次自作シールブームといっても過言ではないでしょう。
ここからはいよいよ、自分もリアルタイムで体験した自作シールシーンの話に入っていきます。
まずはこの動画をご覧ください。
『トキメキ!妖怪鬼退治』という、AGAWA氏がつくった自作シールシリーズ第3弾の紹介&開封動画です。
自作シール関連の動画としては破格の3万再生オーバーを記録し、自作シールの存在を広く知らしめ、AGAWA氏のブレイクにも繋がった動画です。
『トキメキ!妖怪鬼退治』がこれほど注目を集めるに至ったポイントとしては、4つあります。
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