「88rising」とリッチ・ブライアン──ネット時代のアジア文化はいかに広がったか

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  • 2019.04.08 12:00:00

ファッションやアート、あるいは政治にまで影響を与えるようになった現代のストリートカルチャー。特に10代や20代の若者にとって、その声を代弁するかのようなヒップホップ・アーティストの影響力は日に日に増していっている。

世界中を席巻するストリートカルチャー、ヒップホップの魅力に「歌詞」から迫る。今、世界のユースたちの間で何が起きているのか。

「88rising」とリッチ・ブライアン──ネット時代のアジア文化はいかに広がったか

Rich Brian(Instagramより引用)

皆さま、こんにちは。RAq@raq_reezy)です。

以前、KAI-YOU.netで連載をしておりましたが、このたび「KAI-YOU Premium」の方で、その続きのようなコラムをしばらく書かせていただくことになったので、お付き合いいただければと思います。

この連載ではヒップホップアーティストたちのリリックを読み解き、その背景や物語を解説していきます。

さて、突然ですが、皆さまは「88rising」というレーベル、プラットフォーム、あるいはYouTubeチャンネルをご存知でしょうか。アジア発の最新ユースカルチャー、とりわけヒップホップを発信する集団です。

What is 88rising?


今回は「88rising」と、その中心的なアーティストの一人としてアメリカで活躍するラッパー、Rich Brian(リッチ・ブライアンについて書いてみたいと思います。

文化のプラットフォーム「88rising」のはじまり

「88rising」は、ショーン・ミヤシロという人物によって創業されました。

ショーンは、ベイエリアからニューヨークに出てきた後、「Recreation」という会社を創業し、EDMアーティストのマネジメントをはじめました。さらに、映像/デジタルメディア「VICE」と協力し、EDM専門メディア「Thump」を立ち上げると、そのヘッドを務めます。

しかし、2年半ほどして、自分にはEDMへの情熱がないと気づいたショーンは、自身の経験やノウハウを活かして、もう一度、若者のカルチャーを発信するプラットフォームを別ジャンルでつくろうと考えました。

そんなショーン・ミヤシロが、EDMの次に選んだのが「アジアの若者カルチャー」でした。

アジア人というと「ナードで頭が良い」といったイメージが一般的なステレオタイプとして定着していた中で、ショーンは、アジアのクールな若者文化に着目したのです。

そうしたアジアの若者文化を「アジア人もカッコいいんだぞ!」と押し付けがましく説くのではなく、あくまでも魅力的なコンテンツとして提供することに可能性を見出したショーン。

「アジアのイケてる文化がそこにはある。だけど、誰もその実例を明示することができないんだ。20億人もの人がいる文化だってのに、西側の人たちが、それを“超ドープだね”って楽しめないのって、めちゃくちゃおかしいことだよね。」Inside 88rising, the Company Behind Rich Chigga and His Asian Rap Comrades
より翻訳
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「88rising」成功の理由とその軌跡