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  • 2023.05.10

変化するVTuberのプラットフォーム勢力図──TikTok隆盛、SHOWROOM衰退の背景を考える

変化するVTuberのプラットフォーム勢力図──TikTok隆盛、SHOWROOM衰退の背景を考える

クリエイター

この記事の制作者たち

バーチャルYouTuber(VTuber)関連トピックを毎週ピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『週刊VTuber経済ニュース』。

第9回は、VTuberのカオスマップに合わせて独自にVTuber業界について解説する

目次

  1. VTuber/Vライバー事務所のカオスマップが公開
  2. 現在でも主力プラットフォームはYouTube 収益性が鍵か
  3. TikTokの現状は?
  4. e-Sportsに特化した配信者に好まれるTwitch
  5. 利用需要は高まりつつあるbilibili
  6. 減少傾向にあるSHOWROOM、その背景は?
  7. VTuberの使用プラットフォームとしての「ニコニコ」
  8. IRIAM/REALITYは二大巨頭へ
  9. カオスマップは一部分にすぎない

VTuber/Vライバー事務所のカオスマップが公開

少し遡るが、株式会社uyetが4月28日にVTuber/Vライバー事務所カオスマップを公開した。

VTuber/Vライバー事務所カオスマップ

カオスマップとはいわば業界地図のことで、特定業界における企業やサービスなどの関係性やカテゴリ、特徴といったものを示している。

今回公開された「VTuber/Vライバー事務所カオスマップ」は、国内を中心としたVTuber業界の中でも、事務所やVTuberプロジェクトに特化したマップであり、各プラットフォームでの活動状況を示している。

現在でも主力プラットフォームはYouTube 収益性が鍵か

まず、YouTubeで活動する事務所の例では、にじさんじホロライブぶいすぽっ!Neo-Porteなどがマルチチャンネルネットワーク(MCN)※を構築し、収益に強みをもたらしている。

※マルチチャンネルネットワーク(MCN) 文字通り複数のチャンネルと提携して、著作権管理、収益化、営業などを提供する枠組みのこと。事務所

中堅〜大手事務所として数えられるホロライブ、にじさんじ、VShojoのリプロななしいんくRIOT MUSICKAMITSUBAKI STUDIORe:AcT.LIVEをはじめ、多数のVTuber事務所がYouTubeを活用している。

そもそもVTuber文化の起こりとして、パイオニアとも呼べるキズナアイさんが「バーチャルYouTuber」と名乗って活動を開始。追随したミライアカリさん、電脳少女シロさんらもYouTubeでの活動が主だったこともあって、そうした流れを踏襲した結果として、VTuberの活動の主軸は現在でもYouTubeに置かれている。

YouTubeというプラットフォームが主な活動の領域であることは、VTuber文化の勃興から5年以上経っても変化はないが、この要因としては複数考えられる。

一つは、YouTubeというプラットフォームが、動画投稿とライブ配信に特化している点にある(もちろんこれはYouTubeに限った話ではない)。ライブ配信を主軸にしながらも「歌ってみた」といった動画投稿をするVTuberは少なくないため、双方に対応できるプラットフォームは必然的に利便性が高いと言える。

二つ目は、シンプルに多数のVTuberがYouTubeで活動しているという点だ。

YouTubeでは、ユーザーの視聴傾向といった属性に応じて興味の持ちやすい動画/ライブ配信をおすすめしてくれる。

VTuberの場合、このおすすめ機能において自らの動画が優先的に表示されるように対策・誘導して、他のVTuber動画を視聴しているユーザーからの認知や視聴を獲得することが可能だ。

結局これは鶏が先か卵が先か、という議論にもなるのだが、VTuberがYouTubeに多く存在しているからこそ、新たに活動を始めるVTuberの多くもYouTubeが活動の拠点となるのだ。

三つ目としては、やはり収益性が挙げられるだろう。

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