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  • 2023.05.24

推しとの対話で3分5000円──VTuberとの会話サービス、浸透しない背景とは

推しとの対話で3分5000円──VTuberとの会話サービス、浸透しない背景とは

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バーチャルYouTuber(VTuber)関連トピックを毎週ピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『週刊VTuber経済ニュース』。

第11回は、ファンとVTuberの1対1で話せるサービスやイベントについて分析する。

目次

  1. VTuberが会話をしてくれるサービスに新たな動き
  2. 類似する、ファンとVTuberとの1対1トークサービス
  3. 対話サービスは、なぜ浸透していないのか? ユメノグラフィア撤退
  4. ファンクラブでのトークサービスという試み
  5. 不定期開催の「にじFANTalk」
  6. 「話せる」イベントは続々と
  7. 推しと話すのに、5000円は高いのか?

VTuberが会話をしてくれるサービスに新たな動き

バーチャルYouTuberの黎明期において、パイオニアである「キズナアイ」のコンセプトを設計した松田純治さんは、「もし2次元のキャラクターがYouTuberになったらすごく面白いんじゃないか?」という発想がキズナアイさんを生み出したと述べた。「バーチャルYouTuber」が「VTuber」と呼ばれるようになった現在でも、ファンにとってVTuberとの“交流”は大きな魅力だ。

株式会社イクリエは、5月15日よりVTuberと1対1でテレビ電話を通して会話をできるサービス・トモエナを開始した。

サービスでは「コーチング」と呼ばれる、相手自身から様々な考え方や行動の選択肢を引き出す手法を用いて、人に寄り添う会話サービスを提供している。

公式サイトでも、悩み相談やストレスが溜まったときなどに気持ちを吐露したり、雑談などを楽しむケースに想定している。

今までもこのようにVTuberと話せるサービスは提供されてきたが、トモエナは対話的かつ話を聞いてくれるようなサービスのコンセプトになっているようだ。

基本利用料は1枚につき、20分で5500円(税込)。一度のVTuberと話す予約(セッション)に対して3枚(60分、1万5千円)まで使用ができ、事前に投げ銭アイテムを購入することで、対話したVTuberに投げ銭をすることができるシステムになっている。

トモエナの場合、これまでに活躍しているVTuberがサービスに参加するのではなく、トモエナ提供とあわせて新VTuberがデビュー・コーチング相手となるという仕組みを現時点ではとっている。

VTuberらは活動/サービス開始にあたって、コーチングの技術を学んでおり、経済誌『週刊ダイヤモンド』のウェブサイト、「DIAMOND online」で連載を持っていたコーチング・コーチの林健太郎さんから監修を受けている。

類似する、ファンとVTuberとの1対1トークサービス

このようなVTuberと1対1で話せる試みは過去にもある。例えば、バーチャルあっとほぉーむカフェが挙げられる。

バーチャルあっとほぉーむカフェの場合、スマートフォンやPCブラウザで楽しめるメイドカフェのような形態になっていることがポイントだ。

サービスの運用は、スペースシャワーネットワーク傘下で、メイドカフェ大手系列のあっとほぉーむカフェを運営するインフィニア株式会社が行っている。これまでメイドカフェの経営で培ったノウハウをサービスに落とし込むことで、コンセプトをつくりこみ、ユーザーへの接客を通して体験を提供している。

メイドとの会話は30分で1100円(税込)、1時間で2200円(税込)、メイドとの記念撮影では1枚につき550円と、時間や体験に応じた金額が設定されている。投げ銭システムも用意されており、220円(税込)から利用できる。

また、割引システムもあり、リピーター確保に向けた拡充も行っている。リピートするほどにランクがあがり、公開されている中で最もランクが高い「ブラック」では、30分の通話で935円(税込)、60分では1,815円(税込)になってお得だ。

なお同サービスのYouTubeチャンネルや各所属メイドのYouTubeチャンネルでは、歌ってみた、ゲーム、雑談といった、他のVTuberと変わらない活動の様子が配信されている。ただ、頻繁に活動している配信者はほとんどいない。

バーチャルパートナーとの対話サービス「cocoro:id」の場合は、IRIAMREALITYなどいわゆる「Vライバー」系のアプリと同様、簡易的にVTuber的なアバターを作成・利用してライブ配信ができるサービス。

ユーザーとしては、お気に入りの配信者(cocoro:idでは「キャスト」と呼ばれている)のライブ配信を視聴もできるし、ポイントを使うことで1対1で話すこともできるようになっている。

ただしiOSに対応したスマートフォンまたはタブレット端末のみ利用可能のため、トモエナやバーチャルあっとほぉーむカフェよりも使用できるユーザーが限られている。

ライブ配信とブログと対話サービスをひとまとめにしたサービスはなかなか珍しいだろう。

より広い環境に対応し、外部モデルデータの登録をはじめVTuberがより活動しやすい環境を整えれば、より広がりを見せそうだ。

対話サービスは、なぜ浸透していないのか? ユメノグラフィア撤退

しかし、これらの対話サービスは、VTuberコミュニティに深く浸透していないのが実情だ

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