「FSLトライアウト出場者には帰るという選択肢もあった」MCバトルが辿る、2つの道
2023.10.25
VTuber関連トピックをピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『VTuber経済ニュース』。
今回は「ライブコマース」。発展の著しい中国の状況や、プラットフォームへの取材を通してサービスの特徴を分析する。
バーチャルYouTuber(VTuber)関連トピックをピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『
第24回は、VTuberのライブコマース動向について解説する。
目次
- 中国で拡大するライブコマース バーチャルアイドルでも実績
- 日本のライブコマース市場の温度感はどうか?
- V起用で売上470%! ライブコマースのプラットフォーム、3つのジャンル
- VTuberがライブコマースをするメリットとデメリット
- ライブコマースとVTuberの今後
ライブコマースとは、生配信とeコマース(オンライン販売)を組み合わせた販売手法のことで、実は第1回でも解説している。
第1回では、VTuber事務所・にじさんじに所属する社築さんがパソコンを生配信上で紹介する番組を配信していたことについて解析。
忖度のない商品紹介が好意的に映ることや、VTuberの視聴者層に顕著に多い20代、30代をターゲットにしたマーケティングの重要性や、そしてVTuberを活用した企業のプロモーション事例は顕著に増加傾向にあることについて触れていた。
さて、前回から半年以上が経ったうえに、解説した番組の動画が非公開化。投稿していたチャンネルやX(Twitter)のアカウントに続報がないことから、改めて詳細にライブコマースについて、取材したコメントと開示されたデータを交えながら解説してみようと思う。
ライブコマースにおいて、最も先進国といえるのが中国だ。2023年のiResearchの調査によると、2023年12月までに33.1兆円にものぼる見通しになっている。
特に活気のある中国の義烏市北下朱村は、俗に「直播帯貨村」(ライブコマース村)ともメディアから呼ばれるほどに発展。村ではそこら中でライブ配信をする人が見られ、ライブコマースのカリスマ「網紅」(インフルエンサー)を育成する講座が開かれるなど、ライブコマースで身銭を稼ぎたいと思う若者らが集まっている(参考)。
中国インターネット情報センターのレポート「第47回中国インターネット発展状況統計報告」によると、2020年末時点で中国のインターネット利用者の39.2%を占める3億8,800万人がライブコマースを利用していると推定されている。
映像プラットフォーム・bilibiliを運営する中国の株式会社ビリビリは、初の中国語ボーカロイド歌手・洛天依(ルォ・テンイ)を例にあげる。洛天依がライブコマースを行った際、オンライン視聴者数は270万人に達し、200万人が課金アイテムを贈った。
このように、中国ライブコマース市場においてバーチャルアイドルはすでに利益を得るようになっている。
なお中国でもVTuberは人気の存在であり、2022年にはNIJISANJI EN所属のVox Akumaさんが100分ほどの配信で111万元(当時で約2100万円)を売り上げたことが話題になり、国内外で報道された。
中国には創夢易自動播や雲小七といったAIで稼働するバーチャルキャラクターも多数存在しており、この2体のようにライブコマースにも対応するものも増加しているようだ(参考)。
中国では、VTuberがライブコマースを行う環境がかなり整っている状況にあると考える。
一方、日本はどうなのだろうか。
KDDI総合研究所では2022年4月のレポート「日本におけるライブコマースの現状」において、撤退が相次いでいる一方で新規参入も続々と訪れている様子などから、現状は定着していないが「盛り上がりの機運はなくなっておらず、EC関連の企業などがその機運を高めようと取り組んでいる状況が続いている」と見解を示している。
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