クラウドファンディングは、誹謗中傷に苦しむ個人クリエイターへの救いになるか? 注意事項を解説
2024.08.04
クリエイター
この記事の制作者たち
近年はイラストレーターの個展が増えてきた。これまでのギャラリーで行われてきた個展とは違い、企業が全面的にバックアップをするというスタイルである。
予算をかけて設計され、こわだり抜かれた展示──一見華やかで、動員も見込めそうに思えることだろう。ただし、そこには課題も横たわっている。
今回は、ネット中心で活動してきたイラストレーターが展示を行うモチベーション、そして展示企画の持つ課題について考えていく。
目次
- なぜ、絵描きは個展をやるのか?
- 表現への探究心、プロダクトへのこだわり──イラストレーターが個展をやる理由
- 現代においてイラスト個展を成功に導くためには、チームが必要不可欠
- 個展は、金がかかる。そして、回収はさらに難しい
- 数百万円のお金は、どこから出ているのか?
- 個展の収益モデル 作家の取り分やギャラリーの取り分は?
- デスマーチ、トラブル、イベント対策……展示企画の課題
- 作家ではなく、企画を立てる
- これからの個展を見据えて──
近年、イラストレーターによる個展が増えています。特にこの夏は人気イラストレーターの個展がとても多く、それぞれに注目が集まっています。
【お知らせ】
8月3日(土)より開催のタイキ初個展『タイキ展』の情報は、こちらのアカウントでお伝えしていきます。
本日19時から初の個展開催を記念した公式Xリポストキャンペーンを実施いたします。#タイキ展 #taiki_exhibition pic.twitter.com/EfNVZHQA7p— タイキ個展 "タイキ展" INFO (@taikiexhibition) July 5, 2024
space caimanさんで個展を開催いたします!
『memoria』
7月6日(土)~8月4日(日)
12:00~20:00(最終入場19:45)
※ 休廊日:祝日を除く火・水・木◆会場◆
space caiman(神田)
東京都中央区日本橋本石町4-5-15 門倉ビルB1作品描き下ろしています。是非遊びに来て下さいね〜 pic.twitter.com/5MKqZjD5ww
— 陽子 (@hrn_yc) June 12, 2024
これらは従来の画家が行う、営業や発表のための展示とは少し異なります。
現代のイラストレーターはインターネットがあるので、作品を発表すること自体は容易になっています。さらに売れっ子の作家は仕事がいくらでも舞い込んでくる状況で、わざわざギャラリーを借りて個展をやる意義は少ないように思えます。
【個展のお知らせ】
『ライカ サンダーボルト
-LIKE A THUNDERBOLT-』会期:2024/7/5(金)-7/14(日)11:00-19:00
※月曜休館、最終日のみ17:00まで
会場:Artcomplex Center of Tokyo [ACT4]
WEB:https://t.co/K7nYnLdGzn pic.twitter.com/sEtrgYBh7c— 田中 寛崇 | イラストレーター (@tanakahirotaka) June 6, 2024
では、なぜ彼らは多忙な仕事の合間を縫って個展をやるのでしょうか。
個展やります! pic.twitter.com/0rjcBbTXlH
— MON(修行) (@MON_2501) June 5, 2024
個展増加の背景には、デジタル作品の普及があります。
特にインターネット上で活動しているイラストレーターたちは、発表の場がオンラインに留まりがちです。ネットで簡単にイラストを消費できるからこそ、これだけ市場規模を拡大してきましたが、作品の表現はモニターだけで見せるのは味気ないという考えがあるのです。
これは、同人誌を制作する理由にも似ています。
まず、印刷は絵のサイズをコントロールできます。デジタルだとPCモニタの20数インチか、スマホの小さい画面で鑑賞する他なく、表現者が大きさをコントロールできないのです。
美術館に行くとわかりますが、絵画は平面ではなく、立体であり量感を持った構造物です。特に絵の大きさは鑑賞体験に大きなインパクトを与えます。大きい絵はそれだけで強いエネルギーを持つのです。
さらに個展では空間をデザインし、設計できます。コンテンツが散らばっているSNSのタイムラインと異なり、一つのストーリーの中で参加者に体験を与えることができるのです。近年は没入感を重視した「イマーシブ」という展示スタイルも有名になって来ましたが、絵を単に額装して飾るだけではなく、空間として効果的な見せ方を模索する動きが増えています。
イラストにおいてもこの様な空間設計に対する意識が増えてきており、特にここ5年では展示のレベルも上がっています。既存の絵を画一的な方式で出すよりも、事前に3Dモデル(またはミニチュア模型)を制作し、計画的に進行することが増えているように感じます。
つまり、個展開催はより高度で専門的な知識が必要になってきています。単純に絵を描けるだけではなく、空間上のレイアウトや導線設計、印刷知識などが求められます。
さらにはビジネスの面で言うと、グッズ開発、販売知識、売り場の設計、イベント企画、プロモーションなど、総合力が必要になるのです。
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