文化の壁を、あえて超えない──NiziUの成功に見る、VTuber海外展開のヒント
2024.09.12
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招待制ゲームコミュニティ・vaultroomが主催するゲームイベント「VCR GTA2(以下、スト鯖GTA2)」が2023年末に開催された。
特設サーバーを舞台に、ストリーマーやプロゲーマー、VTuberがゲーム『Grand Theft Auto V(グランド・セフト・オートV、以下GTAV)』をプレイ、ファンがその模様を楽しむという同イベント。
開幕から閉幕まで、Xのトレンド欄には関連ワードが複数居並ぶ盛り上がりを見せた。
一方で、前回開催時から指摘されていた、視聴者とのコミュニケーション問題も顕在化している状況だった。
ここには、隆盛する推し活と、ネット上の大きなムーブメントとなっている配信文化との結託による亀裂を見てとることができる。改めて、その背景を解説する。
目次
- リアリティある犯罪都市での生活を楽しむ「スト鯖GTA2」
- 『GTAV』を使った人気企画「ストグラ」との関係
- 以前から指摘された視聴者とのコミュニケーション問題
- 「スト鯖GTA2」開幕、葛葉はコメント問題で初日に方針転換
- 葛葉さんが「スト鯖GTA2」での展望を語った動画
- 「スト鯖GTA」と「ストグラ」は別企画、運営が改めて強調
- 改めて問われる視聴者の距離感
本稿は、2023年12月に「KAI-YOU.net」で掲載された記事を再構成したもの
「スト鯖GTA2」は、『GTAV』を使った期間限定のイベントだ。
期間中は、運営が用意した特設サーバーにストリーマーやVTuberらが集結。ギャングになりきって遊ぶ『GTAV』本編とは違い、参加者が警察や記者、カーディーラーなどの職に就き、ゲーム内の街で生活する。
そうした遊び方が可能なのは、非常につくり込まれた様々なMOD(有志のユーザーが制作した改造データ)が導入されているからだ。
例えば、警察官なら無線で連絡を取り合いながら犯罪者を追跡できたり、メカニックなら車をパーツ単位でカスタマイズできたりと、リアルな職業体験が可能となる。
MODによる様々な機能を活かし、プレイヤー同士で新たに店を構える、ギャングを結成して大規模な犯罪を計画するといった交流が行われるのが魅力となっている。
「スト鯖GTA2」の紹介で欠かせないのが、同じく『GTAV』を使った企画「ストリートグラフィティ ロールプレイ」(通称・ストグラ)の存在だ。
2022年8月にスタートした同イベントは、名前にもある通り、ロールプレイを重視。参加者は『GTAV』の舞台である架空の街「ロスサントス」の住人としての設定をつくり、キャラクターとして振る舞っていく。
「スト鯖GTA」が数週間程度の期間限定企画であるのに対し、「ストグラ」はサーバーが常設されている。参加者はいつでも、本当にもう一つの世界で生活しているかのような体験を味わえる。
2023年7月に第1回「スト鯖GTA」が開催されると、同系統の企画ということもあり、「スト鯖GTA」の参加者や視聴者が「ストグラ」にも参入。
ストリーマーのファン太さんや鈴木ノリアキさんなど、「ストグラ」への参加で配信の同時接続数を増加させた人も多い。
「スト鯖GTA2」の開催にあたっては、「ストグラ」を運営するしょぼすけさんがシステムやルールの調整に協力。「ストグラ」参加者のごっちゃん@マイキーさんや番田長助さんが「スト鯖GTA2」へも参加するなど、プレイヤーと視聴者、相互に循環が起きている。
今回の「スト鯖GTA2」が、初日から大きな盛り上がりを見せていることは冒頭で触れた通り。
しかし、一方で「スト鯖GTA」「ストグラ」双方で、兼ねてから指摘されていた視聴者と参加者のコミュニケーション問題が顕在化している面もうかがえる。
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