一般就職した『スマブラ』プロあばだんごの半生 「配信せず練習しろ」と言われた時代を越えて
2025.01.29
クリエイター
この記事の制作者たち
解説役として九条林檎さんをお迎えし、変転著しいVTuberシーンを俯瞰する連載「おしえて、九条林檎様!」。2025年最初のテーマは、日夜多くの配信者が取り組んでいる「ゲーム実況」です。
VTuberの活動の一形態として完全に定着しているゲーム実況は、なぜ定番たり得たのか?
『8番出口』が大ヒットした理由、配信者間で流行するゲームの共通点、高度なマルチタスクの結晶であり決して簡単ではないその仕組みを聞きました。
目次
- ゲーム実況の地盤をさらに強化した、コロナ禍のユニークな変化
- 九条林檎がゲーム実況をあまりしない理由
- 『8番出口』と『壺』の共通点──流行るゲームの条件
- 無視という消極的な最善策 マニュアルがない指示厨への対応
- VTuberのゲーム実況はマルチタスクの鬼
──ニコニコ動画での隆盛を経て、ゲーム実況が配信手法の定番になって久しいですが、そもそもなぜこれほど多くの配信者が活動に取り入れているのでしょうか。
九条林檎 ひとえに楽しませ方の選択肢が多いのが大きな理由だろう。本当に様々なスタイルやスキルを持つ配信者がいる中でこれは大きい。またゲームは予期せぬことが起こるから見せ場もつくりやすい。
トークスキルを活かしたり、高いゲームスキルで視聴者を楽しませることも当然できる。そしてゲーム自体にも流行りがあり、新作も絶えず発売されるから、こと配信という面では雑談と違いネタ探しに困らないのもあるだろうな。
──なるほど、取り掛かるハードルが低い上にメリットが多いんですね。コロナ禍で自宅待機していた多くの人が娯楽を求めて配信を視聴する機会が増え、配信者に追い風が吹いたのも要因でしょうか。
九条林檎 ゲーム実況自体は元来より配信のメインジャンルなのでコロナ禍で全体で配信の数が増え、必然とゲーム実況の数が増えて、なんだかより増えたように見えるのはあるだろうな。もしゲーム実況の数がほかのジャンルと比べてより増えたのだとしたら、コロナ禍の時期にゲームをする人自体が増えたのがあると思う。
ジャンルにもよると思うが、自分が遊んでいたゲームを実況している配信者がいたら、どんなプレイや反応をしているか気になる人は多いよな。ゲームに限らず、初心者の感想を求める投稿がSNSに散見されるように、他人の感想や、自分の感情が揺れ動いた場面を他人がどう反応するのか、どう思うのか知りたい人は少なくないだろうし、それが推しとなれば俄然見たい人は多いはずだ。
──体験を共有したい心理というか、欲というか。
九条林檎 推しと同じ体験を共有したいという欲求、自分の知っているものに対して他の人がどう反応するのか知りたい欲求。直近でそれが顕著だったゲームと言えば、流行りに流行った『8番出口』だな。
延々と同じような場面の続く駅の中で間違いを探し、時に驚かされながら出口へ向かうというすごくシンプルな内容がゆえに、既に自分でプレイしていたり、ほかの人の実況を見たりしていると「あの間違いを見つけられるだろうか?」「あそこでびっくりするかな?」と、他者のゲームプレイが気になってくる、他の人のプレイを見るのが楽しいつくりだったと思う。
──コロナ禍で自宅待機を余儀なくされてコミュニケーションが希薄になり、同じ体験を共有することができなかったのもあって、誰かの感想がより気になるようになったのもありますか?
九条林檎 もしかしたらそれもあるやもしれんな。友人のプレイを隣で見て盛り上がるような心地で、面白い人、推している人のゲームを見て沸いたりはらはらする、そういうゲーム実況へのユニークな期待感が生まれてもおかしくあるまい。
──コロナ禍以降の変化と言えば、VTuber、歌い手、プロゲーマー、ストリーマーと様々な肩書の人が一堂に会するイベントが増えた印象があります。どんどん境目がなくなっていますよね。
九条林檎 前提としてまずは単純にVTuberシーンが成熟して、元々あった業界ともコラボレーションできるだけの様々な意味合いでの胆力がついてきたことがあるだろう。
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