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  • 2024.12.28

VTuberの転生、成功の鍵を握るのは? 転生者の九条林檎が明かす裏事情

VTuberの転生、成功の鍵を握るのは? 転生者の九条林檎が明かす裏事情

九条林檎さんにVTuberシーンの表も裏も語ってもらう連載「おしえて、九条林檎様!」。第7回のテーマは「VTuberの転生」です。

事象としては誰もが知りながら、当事者以外には実態がわからない転生。ファンの間では賛否が分かれるセンシティブな話題ですが、当のVTuberは転生をどう捉えているのでしょうか。

九条林檎さんが自身の前世についても触れながら、VTuberにとっての転生のリアルを明かしてくれました。

九条林檎 おしえて林檎様! 第7回

目次

  1. 転生後に上手くいく場合といかない場合の差とは?
  2. 九条林檎の前世の話 バーチャル蠱毒で差を生んだ経験値
  3. VTuberにとって転生は手段か、救いか
  4. VTuberから裏方に回るセカンドキャリアとしての“転身”

転生後に上手くいく場合といかない場合の差とは?

──VTuberの転生はファンの間で賛否両論ありますが、当のVTuberとしてはどうお考えですか?

九条林檎 前提として、我がここで話す転生とは、別名義への変更、企業からの独立等々がごった煮になった俗称と思ってくれ。その上で、事情があり前名義が使えなくなってしまったあと、転生して活動を再開したり、続けられた人がいるのを知っているから、あって良かったと思っている

別名義になったことで活動を続けられた有名な例はChumuNote氏じゃないだろうか。所属事務所が権利もろとも爆散してしまったので、やむを得ず別名義にした上でご本人の持ち前のセンスでそれを活かし、バズったパターンだな。

九条林檎 前名義の時に共演もしたので、嬉しく思ったものだ。だが、実際一つの名義を継続するハードルは高い。芸能界では、「能年玲奈」名義で活動されていたのん氏がいろいろあって話題になったよな(所属していた事務所との契約で本名の使用が困難だった)。

のん氏のパターンと同じで、事務所が名前を含めた著作権を持っていて、本人が自由に使えないことは往々にしてある。VTuberの著作権については連載第2回で詳しく話した通りだが、タレントの自由にできる範囲はことのほか、少ないんだ。

我の場合は以前所属していたAvatar2.0 Projectから幸運にも著作権を買い取らせてもらえたが、本来なかなか難しい。


──「前世が〇〇では?」と噂される方は結構いますが、明言している人は基本的にはあまりいません。契約書に公言してはならないと書かれているのでしょうか。

九条林檎 様々な場合があるので断言はできないが、そのパターンもあるぞ。「あなたが〇〇だったことは公表してはならない。なお、これは現契約が終了した後も続くものとする」なんて項目があったりする。

たとえ事務所がなくなっても、定められていた秘密保持契約の期間内であれば本人が明言することはない。というかできない。

──前名義との共通点をあえて設定する、たとえば好きなゲームやコンテンツを同じにして匂わせるみたいな方もいますよね。もっと大胆にヒントを出して、中には公然の秘密になっている方もいますね。

九条林檎 相当チャレンジャーな方もいるな、ははは。とはいえ元々事務所の関係者と契約とは別にこのくらいは言っても良いという合意を取っている場合もあるので、一概に悪いこととは言えないぞ。

──色んな方がいるなか、転生後に上手くいく人といかない人とで分かれています。率直に、その差はどこにあるんでしょうか。

九条林檎 伸びる、ということは常に色々な要素が複雑に絡みあっているのでこれもまた一概にこれと言えるものはないが、一つ要因を挙げてみよう。

まず前名義で持っていた数字が多い人は、アクティブなファンも多いので当然有利だ。逆に言えば、前名義の熱心なファンをどれだけ引っ張ってこれるかが成否を分ける鍵になることもある

0からではなく1からスタートできる強みだな。ごりごりに伸びたい、という方であれば地盤が固まっていると、活動の安定に時間を取られすぎず、新規ファンを取り込む戦略を考える余裕ができる。

──前名義のファンが全員付いてくるわけはないので、難易度は高いですね。

九条林檎 前名義での人気を問わず、転生されたと噂される方々をたくさん見てきたが、だいたい転生後1ヶ月ほどの登録者数は前名義時代の3割ぐらいだな。

既にアクティブなファンではなかったとか、姿が変わったなら全く別の存在だと考えているとか、他にも要因はあるだろうが、要はいわゆる転生をしても付いてきてくれるほどのファンは貴重な存在なんだな。

またYouTubeの登録者やSNSのフォロワーは、たまたま何かのきっかけで登録/フォローをしてくれただけで、登録したことを忘れてしまっている方も意外と多いものだ。

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