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2021.07.13
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2026年現在、「VRChatに注力する代表的な企業」を挙げろと言われれば、やはり日本国内ではサンリオ社の名前がまず挙げられる。
2021年から音楽フェス「Sanrio Virtual Festival(以下、「サンリオVfes」)」を開催し、2023年から2026年は毎年開催。著名なVTuberだけでなく、VRChat生まれの気鋭のクリエイターも出演する挑戦的なバーチャル音楽フェスとなり、いまやバーチャルなクリエイティブの最前線としてその名が知られている。
そして、イベントの形はバーチャル音楽フェスから「期間限定テーマパーク」へと発展。2025年末にはこれまでの展開コンテンツの多くが、常設テーマパーク「Virtual Sanrio Puroland」として発表され、VRChatで訪問できる“バーチャルテーマパーク”の代表格となった。
ほかにも、デジタルアパレルやキャラクターグリーティングなど、様々なVRChat事業を手がけており、VRChatユーザーにとってその存在の大きさは広く知れ渡っている。しかし、外側から見れば「なぜあのサンリオがVRChatに?」という疑問が、まず浮かび上がるだろう。
連載企画「パラレル化するVRChat:白の章」第3弾となる本記事では、「サンリオVfesl」のプロデューサーを務める、株式会社サンリオ・町田雄史さんへインタビューを実施。日本が誇るIP企業が、なぜ未踏の地であるVRChatへ注力するのか。これまでの歩みと展望と合わせて、その理由を明らかにしていく。
目次
- コンテンツとコミュニケーションの共存――サンリオがVRChatを選んだ理由
- バイラルが重要だからこそ、コミュニティとの連携がカギに
- 「物を買って終わりじゃない世界」が生み出す事業価値
- 「グローバルIPプラットフォーマーの灯台」がVRChat事業で担う役割
- マシマヒメコから始まった「SHOW BY ROCK!!」のVR展開
- VRChatはIPホルダーのベストパートナーになり得るか?
- コミュニケーションが広がりを生む世界で、サンリオができること
──まずは、サンリオのVRChat展開の発端となった、2021年の「サンリオVfes」について教えてください。そもそもの話ですが、なぜ会場をVRChatに定めたのでしょうか?
町田雄史(以下、町田) 当時、挑戦したかったコンテンツ表現を実現できそうだったのがVRChatだったからです。 具体的には、“アーティストが目の前で歌い、踊り、演奏する体験”を再現できること。 そして、それを複数人で同時に楽しめること。 この2つの条件を満たせる環境が、当時の選択肢の中ではVRChatだったんです。
サンリオという会社は、創業時から「ソーシャルコミュニケーションビジネス」を掲げています。コミュニケーションのきっかけになるものをつくることが、事業の根幹です。
例えば、お土産を誰かに渡したら「これもらったんですよ」「どこ行ってきたんですか」と会話が広がりますよね。 ライブで言えば、見終わったあとに「あのセットリスト最高だったよね」とか、「どの曲のパフォーマンスがよかった」といった話を、友達と振り返る時間も含めて楽しいものだと思うんです。
当時は他にもいくつか選択肢はありましたが、 我々がやりたかったのは、最高のコンテンツを前に人が集まり、そこから自然に会話が生まれることでした。 だからこそ、その体験を実現できる場所としてVRChatを選びました。ちなみに、最初は独自のプラットフォームを開発することも検討していました。
──その後、2022年の「Nakayoku Connect」実施や、2023年以降の「サンリオVfes」開催、そして常設化へと、サンリオのVRChat展開は続いていきます。展開の継続に踏み切ったのはなぜでしょう?
町田 実は、「サンリオVfes」は当初、音楽フェスとしては1回限りの開催を想定していました。もともと2019年に立てた計画の中でも、XR事業全体のステップの一つという位置づけだったんです。
「サンリオVfes」初回開催時に参加し、大きな話題をもたらしたクリエイター・キヌさん。以降、サンリオのVRコンテンツで監督などのポジションで参加している
町田 ただ、実際に開催してみると想定以上の反響がありましたし、参加していただいたクリエイターの方々からも「来年はどうしますか」「来年こんなコンテンツをつくりたいんです!」といった熱い声をいただきました。
サンリオとしても、創作に向き合っている方々が活躍し続けられる場をつくることは大事にしたいと考えていますし、あの場で生まれていた熱量に対して、こちらが「来年はやりません」と区切ってしまうのは違うなと感じたんです。
むしろ、その期待や熱量に応えていくこと自体が、サンリオとしての役割でもあると考え、継続して展開していくことを決めました。
とはいえ当初はコンテンツ総量の問題もあり、常設ではなくバーチャル音楽フェスとして開催していました。回を重ねるごとにコンテンツが蓄積され、それに伴って開催期間も徐々に延びていき、結果として「期間限定のバーチャルテーマパーク」へと形が変わっていきました。
その過程で、VRChatは単にコンテンツを楽しむ場所というよりも、「誰かがいるから行く場所」、つまり“誰と楽しむか”によって体験の質そのものが変わる場所だと理解するようになりました。
同じコンテンツでも、一緒に体験する相手によって見え方や感じ方が変わる。そういった特性を踏まえると、いつでも行けて、いつでも誰かと会え、一緒にコンテンツを楽しめる場所にすることが重要だと考えて、2025年末に「Virtual Sanrio Puroland」として常設化に踏み切った形です。
回を重ねるごとに、「サンリオVfes」は「みんなで楽しむテーマパーク」へと変化していった
──2023年以降の「サンリオVfes」では、VRChatで活動するクリエイターの出演と起用、さらにはVRChat内コミュニティとのコラボが急速に増えていきました。“VRChatネイティブ”とも言える彼らと連携する方針は、どのような経緯で立ち上がったのでしょうか?
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