「自分はもうオワコンだ」やみえんがバーチャル化してVR空間で実現したかったこと
2024.10.06
クリエイター
この記事の制作者たち
「スタンミショック」――筆者自身は、ある種のネガティブなニュアンスも感じられるので、この言葉はあまり好きではない。
しかし、2024年6月〜8月の展開は、「ショック」としか呼びようのない衝撃だったのは事実だ。ストリーマーのスタンミ(スタンミじゃぱん)さんによるVRChat配信は、それだけVRChatへの注目度を高め、事実としてユーザー数を激増させた。
この時期にVRChatへやってきた、いわば「スタンミ世代」とも呼ばれるユーザーは、国内VRChatブームを象徴する存在だと言える。しかし、参加直後の動向は多く伝えられたが、あれから1年ほどたった現在の動向にフォーカスする動きはあまり見られない。
日本のVRChatシーンを一変させる激流になった「スタンミ世代」は今、なにをしているのか。筆者は今回、連載企画「パラレル化するVRChat:白の章」の第一弾として、彼らの足跡をたどることにした。
X上で募ったアンケートの回答者は、合計313人。統計サンプルとしての有効性は若干心もとないが、あの波をつくり上げた一人ひとりの声が集まる、重要な資料である。
本記事では、「スタンミ世代」と呼ばれるVRChatユーザー層を対象にしたアンケートから、彼らの状況をトレースし、どんな人がVRChatにハマるのか、その決め手はなにか、などを幅広く分析していく。
目次
- 「スタンミ世代」は、どんな人だったのか
- “ゲーミングPC持ち”多し スタートもPC単体が多め
- VRChatのプレイ初期にどんなワールドを訪れたか?
- 最初の魅力はコミュニケーション 継続率は約96%!
- 半数は毎日ログイン プレイ時間1000時間超も半数以上
- VR環境への移行ユーザー多し 人気は「Meta Quest 3」
- プレイスタイルはフレンド重視へ──コミュニケーションの魅力はさらに深化
- VRChatを離脱した理由はどのようなものか?
最初に、今回のアンケート回答者の属性を見てみる。まず、設問1ではVRChat開始時期を回答してもらった。未来日指定による無効回答3件を除き、回答結果を年月単位で整理すると、2024年8月が128人と圧倒的に多い。

そのきっかけは、やはり2024年7月23日のスタンミさんとトコロバさんの遭遇、同月26日のスタンミさん所場さんが二人きりで遊ぶ配信だろう。VRChatにおける“日常”を発信した26日の配信は、これまでなかなか大きく発信されてこなかったVRChatの楽しみを伝えた、エポックメイキングな出来事だった。

その証拠となるような回答結果が設問2「VRChatをスタートしたきっかけはどんなものでしたか?」で得られた。「スタンミさんのVRChat配信・切り抜き動画を見た」の選択数は236件。実に75.4%もの人が、スタンミさんの配信を機にVRChatへ足を運んでいることになる。なお、次点にはスタンミさん以外の動画・配信が挙がっており、動画コンテンツの訴求力の高さがうかがえる。
設問3では、VRChatをはじめる以前にハマっていたことを回答してもらった(複数回答可)。この設問は、筆者の仮説「スタンミ世代はゲームストリーマーのファンが多く、その影響で『Apex Legends』などのストリーマー人気の高いゲームタイトルプレイ傾向が強い」の検証が狙いだ。
結果としては、「一人プレイ用のゲーム」の182人が単体選択としては最も多く、それ以外は比較的分散傾向が見られた。「VTuber」「YouTuber」「eスポーツ配信者/ゲーム配信者」を「動画投稿者・配信者」に統合すれば、それが比率としては最多だ。
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