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  • 2019.05.13

「プロゲーマー」という存在の不確かさと確かさ

近年、e-Sportsの隆盛が喧伝され、YouTubeやTwichを中心にゲーム実況における環境整備も続き「ゲーム」を取り囲む環境が大きく変化している。そんな劇的な変化の中、「プロプレイヤー」はいかにしてゲームと向き合っているのだろうか。

TCG「Magic: The Gathering」の現役プロプレイヤーであり、観戦記事やデッキ構築記事のライターとしても活躍する細川侑也がプロゲーマーとして、あるいは一人のゲームファンとして、リアルな目線から書き綴る。

「プロゲーマー」という存在の不確かさと確かさ

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今やゲームは日常生活において、ほとんどの人にとって欠かせない存在となった

スマートフォンの普及に伴い、アプリゲームは急激な成長を遂げた。その結果、据え置きハードや携帯機を購入することでしか遊べなかったゲームを、より多くの人が楽しめるようになった。

だからこそ、ゲームはここまで身近な存在になった。昨今ではゲームを遊んだことのない人の方が少ないのではないだろうか。少なくとも10代〜30代の男女であれば、現在遊んでいるゲームが一つ以上はある、という人がほとんどだと思われる。これは十年前ならば考えられないことだ。

ゲームが子供の遊びという時代は終わった。大人も当たり前のようにゲームを遊ぶようになり、それによって楽しみ方も増えていった。仕事の合間に息抜きでゲームをプレイしたり、休日を使って友人と集まって遊んだり。

そして、ゲームをプレイするプロたちの試合を観戦するのも、またゲームの新たな楽しみ方の一つと言えるだろう。

プロゲーマー。それはゲームが身近な存在となった今、異質な存在ではなくなった。著名なプレイヤーたちのYouTubeやTwichによる配信には毎日何千人、何万人もの視聴者が付き、彼らのプロフェッショナルなプレイを楽しみにしている。

今日は、そんなプロゲーマーたちの話をしていきたい。

プロゲーマーという曖昧だけど、確かな存在

以前よりも身近になったとはいえ、プロゲーマーとは一体何かと問われて、一概に答えることはできない。

なぜなら様々なゲームタイトルによってプロの在り方は異なっているし、「Magic: The Gathering」のプロシーン以外に詳しくもない私に、明確な定義付けなどできる由もない。

例えば、「ぷよぷよ」の公式サイトにはプロプレイヤーの一覧ページ(外部リンク)があり、そこに掲載されている25名がメーカーの認定するプロプレイヤーとなっている。また、e-Sportsとして爆発的な盛り上がりを見せている「Fortnite」では意外にもプロリーグすら存在せず、企業の運営するゲーミングチームに所属することがプロと認められることになっている

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日本における「Fortnite」の代表的なプロゲーミングチーム「CrazyRaccoon」は様々な企業がスポンサードを行なっている。画像出典:CrazyRaccoon公式サイト

ゲームの大会に出場し、賞金や年俸をもらう人のことをプロゲーマーと呼ぶのはまず当然だろう。そこに疑う余地はない。だがそれ以外のすべての人がプロゲーマーではないというわけでもない。社会人プロゲーマーもしっかりと存在する。

ただ一つ言えるのは、プロゲーマーとは、特定のゲームにおいてその他のプレイヤーたちを大きく上回る実力を持っているということだ。その上位10人が、はたまた100人がプロと呼ばれるのかは、ゲームによって異なるのだが。

権威ある大会で優勝するといった実績は、まさにそれだ。大会における優勝は、賞賛の的となり、そのプレイヤーが他の誰をも上回ったことを示す客観的事実だ。

プロゲーマーは、簡単に言ってしまえば「とてもゲームが強いプレイヤー」だ。もちろんその上で「この大会の優勝者だけが」であるとか「企業スポンサードを受けた者だけが」などと細かい定義付けが各ゲームであるだろうが、「とてもゲームが強いプレイヤー」であることだけは揺るがないだろう。

そしてこの感覚は、あらゆるゲームの一般プレイヤーが持っている。ここで言う一般プレイヤーとは、プロ以外のすべてのプレイヤーのことだ。そこには、プロシーンに詳しく熱心にプロの道を歩むプレイヤーもいれば、そのゲームのトッププロの名前を知らないがゲーム自体の大ファンであるプレイヤーもいる。

彼らはそれぞれ、ゲームに対するスタンスや一日にゲームをプレイする時間も異なるだろう。そんな異なるプレイヤーたちの間でも、「プロゲーマーはとてもゲームが強いプレイヤー」であることだけは共通認識としてある。

だが逆に、ほとんどのプレイヤーはプロゲーマーについて、それ以上のことを考えようとはしていないように思える

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