違法サイトからハリウッドの一角に 本社直撃で見えたクランチロールの次なる一手

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  • 2019.08.02 17:00:00

ジャーナリスト・数土直志氏が、日本アニメを世界に届ける総本山を訪問取材。

彼らは、アニメ産業の本質をすでに見抜いている──

違法サイトからハリウッドの一角に 本社直撃で見えたクランチロールの次なる一手

日本アニメが海外ファンにどのように届けられるかは、意外に知られていない。

ひと昔前ならテレビ放送やDVDなどのビデオソフトだった。しかし2010年代以降は間違いなくインターネットの動画配信に取って替わった。廉価で気軽に利用できる配信で、作品を知り、楽しむ。近年の日本アニメの世界的な注目やファン拡大も、配信が果たした役割が大きい。

なかでも日本アニメを専門に、世界中に配信ネットワークを築くクランチロール(Crunchyroll)はその最大手だ。米国・サンフランシスコに拠点を持ち、2019年夏現在で世界の登録ユーザー数が5000万人以上、有料会員数も200万人を越える。全てが日本アニメのファンだから驚きだ。

しかし2006年にクランチロールが立ちあがったばかりの頃は、アニメ業界から歓迎されたものでなかった。ファングループによる動画配信サイトは、ファンサイトと呼べば恰好いいが、コンテンツの大半は違法にアップロードされた日本アニメだったからだ。

それが多くの変遷を経て、2018年8月にワーナーメディアの完全傘下になる。ワーナーメディアは、ワーナーブラザース映画やDCコミックス、HBO、CNNなどを抱えるハリウッドの一大エンターテインメントグループである。クランチロールはいわばハリウッドエンターテインメント産業の一角を占めることになったわけだ。

巨大な資本とネットワーク、アニメを通じたワーナーメディアのグループ各社と連携。クランチロールはこれらを得た。

誕生から13年、米国エンターテインメント業界の中核に組み込まれたクランチロールはどう変わったのか。これから先、何を目指すのか。筆者は7月の初め、サンフランシスコにあるクランチロールを運営するイレーション(Ellation)本社を取材で訪れた

またその後にロサンゼルスで開催された日本アニメ・マンガの祭典「アニメエキスポ2019」(Anime Expo 2019)での様子も合わせて、クランチロールのいまを紹介したい。

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クランチロールの本気を見た