TikTokでバイラルした言語遊戯 AYA a.k.a.PANDAが告げるフィメールラップの成熟
2020.12.22
雑誌は今も“事件の現場”なのか? 『WIRED』日本版の編集などを手がけてきた文筆家・仲俣暁生氏の問いかけ。
最終回は、創刊されたばかりの三つの雑誌を通して、その問いに向き合う。
編集されたコンテンツの束としての雑誌を、ひとつの「事件」の現場としてフィールドワークするこの連載に、今回でいったん一区切りをつけることにした。
最終回は三つの雑誌をとりあげる。いずれも創刊号か、創刊からまだ間もないこと、A5判の「読む雑誌」という共通点がある。
いま、テキストを読むための雑誌を立ち上げるモチベーションはどこにあるのか、その気概は読者である私にどのようなインパクトを与えたのかを書いてみたい。
執筆:仲俣暁生 編集:新見直
目次
- 『ことばと』示す越境 既知を超えて未知へ
- 『DAWN』の切迫感 ストリートから発される“言葉”
- 『海響』フェミニズムとアノニマス
- 現場では、いつも 「共有」と「分散」が起こっている
文学ムック『ことばと』創刊号(書肆侃侃房,2020年4月)
まもなく第2号が出るタイミングだが、最初に書肆侃侃房から創刊された『ことばと』に触れよう。
これまで書肆侃侃房は2016年から2019年にかけて作家・翻訳家の西崎憲を編集長に文芸ムック『たべるのがおそい』を7号にわたり発行してきた。
同誌には芥川賞候補作となる作品が二度(今村夏子「あひる」、宮内悠介「ディレイ・エフェクト」)も掲載されるなど、一定の成功を収めた。
『ことばと』は、その終刊を受けた、次のプロジェクトである。
同じく年2回刊の文芸ムックとして、今年の4月に創刊された『ことばと』の編集長は佐々木敦。ながらく批評家として活躍してきたが今年でその活動に終止符を打ち、『新潮』2020年4月号に掲載された「半睡」で小説家としてデビューしたばかりだ。
続きを読むにはメンバーシップ登録が必要です
今すぐ10日間無料お試しを始めて記事の続きを読もう
残り 3961文字 / 画像6枚
800本以上のオリジナルコンテンツを読み放題
KAI-YOU Discordコミュニティへの参加
メンバー限定イベントやラジオ配信、先行特典も
※初回登録の方に限り、無料お試し期間中に解約した場合、料金は一切かかりません。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。