イラストレーター兼VTuberしぐれういインタビュー 理解者よりも、本当に必要なもの

Interview

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  • 2021.04.23 20:00:00
イラストレーター兼VTuberしぐれういインタビュー 理解者よりも、本当に必要なもの

青春という限られた時間が放つまばゆい輝きを瑞々しく描き出す。「女子高生がとにかく好き」と語るしぐれういさんのイラストの魅力は、好きだからこそ込められる情熱によって生み出されるものだ。

2021年4月よりTVアニメも放送されるライトノベル作品「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」のイラストや、VTuber・ 大空スバルさんのキャラクターデザインを手掛けるなど、人気イラストレーターとして活動を展開するしぐれういさんだが、彼女の活躍はイラストレーターのフィールドにとどまらない。

群雄割拠のVTuber界において40万人以上のチャンネル登録者数を有す人気VTuber、それがしぐれういさんの持つもう一つの顔だ。元々はデザインを手がけた大空スバルさんの配信にゲスト出演していただけだったのが、やがて個人としても配信活動を開始。

どうしても大空スバルにワンピースを着せたい女

イラストレーターが自らデザインを手がけ、VTuberとしてデビューするケースはもはや珍しくない。だが本業のイラストレーターとしての活動を維持したまま、ここまで人気VTuberとしての活動を成立させている存在はしぐれういさん以外に見当たらない。人気イラストレーターでありながら、人気VTuberでもあるという誰もが羨む唯一無二のスタイルを確立させた秘訣について、本人はとにかく運に恵まれていたと配信で見る通りの穏やかな調子で語る。

好きなことを追い求めた結果、前人未踏の地平を切り開く存在になっていった。好きこそものの上手なれを地でいく彼女の言葉の中に、VTuberとしての活動を続けるという異端の存在ながらも、曲げずに意志を貫き続けるイラストレーターとしての矜持を探る。

目次

  1. 「しぐれうい」誕生の秘密
  2. 社会人を経て気づいた「仕事相手も人間である」という感覚
  3. 運命と呼ぶほどの会社からの独立
  4. ひたすらに女子高生を描く理由
  5. 「VTuberしぐれうい」と「イラストレーターしぐれうい」の違い
  6. 「自分が思っている以上に絵を描くのが好き」ぶれないイラストレーター像
  7. 責任が大きくなることを楽しむ
  8. VTuberに向いていた? その資質
  9. 理解者よりも、本当に必要なもの

「しぐれうい」誕生の秘密

しぐれうい_雨.jpg

──しぐれういさんはお母様と一緒に描いたのをきっかけに絵を描き始めたそうですが、その頃はどんな絵を描いていたか覚えていますか?

しぐれうい 母が少女漫画が好きで、私も一緒にキラキラした女の子ばっかり描いていましたね。母も絵を描くのが好きで、遊びとして一緒に描いてくれていたみたいです。

──小学校の卒業文集には画家になりたいと書かれていたそうですが、イラストレーターを意識したのはいつごろでしたか?

しぐれうい 中学校に入って、『涼宮ハルヒの憂鬱』を初めて読んだ時です。それまでは絵を描く仕事は漫画家とか画家しかないと思っていたんですが、そこからイラストレーターという仕事を意識するようになりました。『ハルヒ』シリーズのイラストを描かれているいとうのいぢさんにはかなり影響を受けてます。

絵を描くことも本を読むことも好きだったので、こんなに好きなものだらけの仕事があるんだって思ったんです。

──その後は美大に進学されているんですね。

しぐれうい イラストレーターになりたいと思う前に、漫画家になりたいとも思っていたんです。でも漫画家を目指すにはまだ画力が足りないことにふんわりと気づいていたので、中学校の時に美術部に入って美術的なことを学ぼうとしたんですよ。

やってみたら絵画とか美術も面白かったので、そのまま大学でもそういうことを学ぶのもいいなと思っていたのと、イラストに活かせたらいいなって気持ちもあって美大に進学しました。

専攻を調べている時に、デザイン科ならイラストレーションを学べると知ったのでデザイン科に進んだのですが、私が思い描いているものとは少し違いましたね(笑)。なので大学時代はあまり周りに同じようにイラストを描いてる人がいるわけではなかったのですが、そうしてジャンルが違う人と話すのも面白かったので、いい経験になりました。

──ちょうど学生時代くらいにpixivやTwitterなどがイラストの発表の場として盛り上がっていったと思いますが、インターネットに絵を投稿し始めたのはいつ頃でしたか?

しぐれうい だいぶ早くて小学生の時からお絵描き掲示板とかに投稿してたんです。マウスでカチカチ描いてましたね。

──そんなに早く。pixivやTwitterが流行する以前からだったんですね!

しぐれうい 両親がインターネットを見る人たちだったので、子どもの時から色んなものに触れさせてもらっていました。その中でもお絵描きが特に面白かったんだと思います。

──その頃から名義は今のものだったのでしょうか?

しぐれうい 別の名前だったと思います。なんなら本名だったかもしれません(笑)

──では「しぐれうい」としての活動はいつからになるのでしょうか?

しぐれうい 中学校二年生くらいからだったと思います。そこからずっとなので自分でも厨二くさい名前だなとは思っているんですが、変えるタイミングもなくて…。もはや一周回ってなにも感じなくなってきましたね(笑)。

──ひらがな五文字なので字面は可愛いですけども。

しぐれうい 昔は漢字だったのでもっと痛々しかったんです。でも高校に入ったころにこれはヤバいのではと思って急遽ひらがなになりました(笑)。

社会人を経て気づいた「仕事相手も人間である」という感覚

──美大在学中に漫画家デビューされていますが、きっかけはなんだったのでしょう?

しぐれうい 芳文社の方がpixivを見てメールをくださったのがきっかけでした。それまで漫画を描いたことがなかったので、なんで声をかけてくださったんだろうと不思議に思ったんですが、面白そうだからやってみようって好奇心でやってみた感じでしたね。

──初の経験で、学生生活と並行してだとかなり大変だったんじゃないでしょうか?

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