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2023.06.22
星街すいせいと花譜、2人の“VTuber/Vシンガーの歌姫”。
その歌声は、次元を超えて響く──。
クリエイター
この記事の制作者たち
いまや、一大ネットカルチャーとして君臨している「バーチャルYouTuber(VTuber)」。
2017年末のブーム勃興から早6年。このわずかな間での急発展は、その時々でシーンを華々しく彩ってきた特異な存在やエポックな出来事を抜きにして語ることはできない。
そして2023年現在、VTuberというジャンルの“越境”──シーンの外へどう広げていくかを考える上で、重要な要素のひとつに「音楽」がある。
かねてより、オリジナル楽曲の発表やライブイベントの開催をはじめ、「VTuber/Vシンガーの音楽」はシーンの隆盛を象徴するトピックではあった。しかし、近年その勢いはさらに増し、ヒットチャートに爪痕を残し、有名クリエイターとのコラボや主題歌・CMソングといったタイアップなども相次いでいる。
そんなシーンの外へ広がる「VTuber/Vシンガーの音楽」を語るなら、決して欠かせない2人の歌姫がいる。
一人は星街すいせいさん。元々はいわゆる個人勢として活動を始めたが、後にVTuberグループ・ホロライブへと加入し、持ち前の美しくも力強い歌声を存分に発揮。これまでに2枚のアルバムをリリースしたほか、サウンドプロデューサー/コンポーザー/DJのTAKU INOUEさんとタッグを組み音楽プロジェクト・Midnight Grand Orchestraとしても活動している。
もう一人は花譜さん。神秘的な歌声を持つ驚異の中学生シンガーとして突如シーンに現れると、当時メインコンポーザーだったボカロP/シンガーソングライターのカンザキイオリさんが描く楽曲の世界観を十二分に表現し、瞬く間にポジションを確立。大学に進学した現在は、シンガーソングライターとしての才覚も発揮し、活躍の幅を惜しみなく広げている。
星街すいせいさんはVTuberとして初の「THE FIRST TAKE」出演を果たし、花譜さんはVTuberとして初の日本武道館公演を成功させるなど、その存在感をシーンの外にまで轟かせている両者。今回KAI-YOU Premiumでは、その対談の場をセッティングした。
2人の語らう言葉から、バーチャル/リアルという次元を越えて「VTuber/Vシンガーの音楽」がさらに飛躍するためのヒントを探っていく。
目次
- VTuber界の歌姫たち、邂逅
- 「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」ライブ“初”披露の裏話
- 星街すいせい&花譜、お互いの歌声をどう評する?
- コラボ曲をやるなら「私自身がシンセサイザーに」
星街すいせい 彗星の如く現れたスターの原石! アイドルVTuberの星街すいせいです! 花譜ちゃんに会うのは、3月にやった私の活動5周年記念ライブ(※)以来だね。
花譜 花譜です。「次に会えるのいつだろう」って思ってたから、こんなにすぐにまた話ができて嬉しいです。
※活動5周年記念ライブ:2023年3月に開催された星街すいせいさんの活動5周年記念ライブ「Shining Memory」に花譜さんはゲストとして出演していた。この対談企画は2023年5月に収録している。
──本日はよろしくお願いします。星詠み(=星街すいせいさんのファン)や観測者(=花譜さんのファン)から見ると、2人の初コラボは2022年4月の「VTuber Fes Japan 2022」だと思いますが、それ以前から交流はあったのでしょうか?
星街すいせい ないですね。あの時が本当に初めましてだったよね?
花譜 初めましてでした。だから「VTuber Fes Japan」ですいちゃんと一緒に歌えるって聞いた時はめちゃくちゃ嬉しかったです。
星街すいせい ウレシー! 私も花譜ちゃんの活動はこっそり追いかけてたけど、まさか一緒に歌えると思ってなかったからすごく嬉しかった!
「VTuber Fes Japan」のプロデューサーさんにも「2人のコラボがめっちゃ見たかったんですよ!」って言われました(笑)。
──デュエットでみきとPさんの楽曲「小夜子」のカバーを披露していましたが、選曲は2人でしたのでしょうか?
星街すいせい 最初はイベント側から、みきとPさんの「少女レイ」を提案されていました。でも、あの曲をライブで歌える自信がなくて(笑)。
星街すいせい 同じみきとPさんの「小夜子」だったら生で何回か歌ってるし、花譜ちゃんもカバーしていたので、私の方からお願いしたんです。
花譜 知らなかった! 「少女レイ」も候補に上がってたのか!
星街すいせい 知らなかったんだ(笑)。
花譜 そうだったのか……! 「小夜子」は私もずっと昔から大好きな曲だったので、「すいちゃんと一緒に歌うとどんな風になるんだろう?」って思っていました。
そもそも、私は所属レーベルのKAMITSUBAKI STUDIO以外の人と一緒のステージに立つことがほとんどないので、新鮮な気持ちもありましたね。
星街すいせい 逆に私はホロライブ以外の人とコラボする機会も多いんですが、たしかに花譜ちゃんがKAMITSUBAKI STUDIOの人以外でコラボしたのって、キズナアイちゃんくらいしか見たことがなくて。
星街すいせい だから「そこに名を連ねるのが私でいいんですか?!」って感じでした(笑)。
花譜 (笑)。
星街すいせい それまで絡んだこともなかったし、花譜ちゃんは自分の世界観ができあがってるミステリアスな存在だと思ってたから。
それまでほとんどのVTuberがオタク文化の延長線上の路線で活動していたのに、「普通の女の子」として出てきたのが花譜ちゃんだった。
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