Web3はVTuberに何をもたらした? AI台頭にメタバース流行──2022年総括【新時代編】
2023.01.19
クリエイター
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「やっとVTuberになれた」──そう笑うのは、個人勢VTuberでありBL同人作家の塚本のべるさんだ。
1枚絵で活動する“PNGTuber”としてのデビューから1年、静かに準備を重ねた末、2025年6月23日には待望のLive2Dモデルをついにお披露目。ファンも胸を躍らせた。
YouTubeチャンネルの登録者数は12万人を超え、ゲーム実況、歌ってみた、実写の姉妹コラボ動画など、多彩なコンテンツでゆるりとした景色を届けている。
同時に彼女は、BL同人作家「ノンケ好きの塚本」としても活動。ペンネーム通り、異性愛者である男性(ノンケ)を受けに据えた作品世界へのこだわり、DLsiteなどを中心に発表している(R-18サイトへの外部リンク)。
個人勢のVTuberとしての自由さと、同人作家として創作活動の両面が、彼女という存在を形づくっている。
6月には活動1周年を記念して、にわ子さん描き下ろしのコラボグッズ(Tシャツやアクリルキーホルダーなど)が期間限定でリリース。3Dモデルの発表を控えるなど、塚本のべるさんは活動の場を少しずつ広げている。
このインタビューでは、個人勢VTuberを志したきっかけから、BLとの邂逅、創作の内側、センシティブな配信スタイル、そして活動のこれからまで話をうかがった。
目次
- センシティブな配信スタイル──VTuberだからこそ許される表現
- BLに魅せられて──塚本のべる×漫画家との協働プロセス
- エロさ、流行、そしてAI──同人市場のいま
- なぜ“個人VTuber”なのか──同人と配信をつなぐスタイル
- “ノンケ好きの塚本”のこれからと、ボイスドラマへのこだわり
──デビュー当初は1枚絵で活動していてPNGTuberとも呼ばれていましたよね。先日、Live2Dモデルをお披露目していかがでしたか?
塚本のべる 活動開始時からLive2Dの準備は進めていたんですけど、最初のモデラーさんが納期を過ぎてもしばらく連絡がなく……連絡はついたものの心境の変化もあって、ずっと依頼したかったモデラーさんに新たに依頼したんですよね。それでこの時期になっちゃいました。
視聴者の皆さんからの反応も非常に良くって、動くようになったことと、衣装がガラッと変わったことで「かわいい」「セクシー」などのプラスな感想をたくさんいただけて嬉しかったです。「やっとVTuberになれたね」と皆さんに喜んでもらえて。
──改めておめでとうございます! Live2Dの姿になって活動はどう変わりましたか?
塚本のべる 自分の体や顔を動かすだけでそれが反映されるのは「やっとVTuberとして配信できている」という実感がありますよね。「歌ってみた」のショート動画とかも、Live2Dモデルがあれば制作できそうです。
1枚絵で活動していると「画面が動かなさすぎる」という理由でYouTubeから収益化を剥がされることもあったんですよ。今後は、それが解消されるという期待もありますね。
──塚本のべるさんといえば、BLへの愛やこだわりをあけすけに紹介するセンシティブな配信スタイルで知られています。これはどうやって築かれたものなんですか?
塚本のべる 最初に配信でセンシティブな話をした時に、思っていた以上に視聴者が受け入れてくれて面白がってくれたのを覚えています。私としては普通のことを話していただけなのに「あぁ、なんかありがたいな」と。
それがこんなに受けるなら、積極的に話していこうと思うようになりました。
──活動の中で築かれたものだったんですね。リアルでもそういうキャラクターなのかと思っていました。
塚本のべる そうですね。現実では腐女子の友だち以外とはそういう話や下ネタすら話したことはなかったんです。VTuberだからこそ、配信だからこそ話せるようになりました。
これがYouTuberや顔出し配信者だったら受け入れられてなかったというか、とても生々しくなっていたと思うんですよ。VTuberだから表現がマイルドになって、幅広い方々に受け入れていただけたという実感があります。
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