Interview

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  • 2020.04.10

「普遍性何パーセントにしますか?」作品の独自性との狭間で

作品が生まれる背景は、作品の数だけある。

稀代の作家たちが語る、その極意。

「普遍性何パーセントにしますか?」作品の独自性との狭間で

報われないアニソンを救うための、それぞれの創意工夫が垣間見えてきた。

そして、作詞が苦手と語る堀江晶太さんに大石昌良さんが語るのは、大石流クロスワード作詞の極意…?

そして、作家が常に考え続ける「アニソンはどこまでアニメに寄り添うべきなのか?」という命題について、現役クリエイターとしての率直な意見を交換する。

ホスト:大石昌良 ゲスト:堀江晶太 取材・執筆:オグマフミヤ 撮影:I.ITO 編集:新見直

目次

  1. アニソンを音楽として楽しむために
  2. 大石流クロスワード作詞
  3. アニソンはどこまで作品に寄り添うべきなのか

アニソンを音楽として楽しむために

──アニソンは作品に紐づいている楽曲である以上、楽曲の評価が作品の評価によって左右されることがあり、楽曲単体として魅力があるのに報われない曲が存在するというのは、これまでの対談で語られてきた大きなテーマの一つです。

そうした報われない曲を減らすための提言はこれまでもありましたが、今日お話をうかがった中で感じたのは、本来、キュレーションとしてメディアが機能していればよかったのかもしれないということです。音楽を音楽単位として評価できるメディアがあれば、作品はヒットしなかったけど楽曲は素晴らしかったと正当な評価を受けるアニソンが増えるかもしれない。

堀江 そういう場所があってもいいとは思います。アニソンは、楽曲の評価だけではなく、そもそも初動で聞かれる絶対数が作品の大きさによって大きく変わるんです。曲単体への公平な評価がどうしても難しい側面があるのですが、楽曲自体にスポットをあてて語るプラットフォームがあっても面白いのかもしれない。

僕がクリエイター仲間と報われなかった曲を聴かせあう会を開いているように、クリエイター同士がお互いを評価しあう会をもっと大勢でやったり、規模の大きいリアルイベントができたりすればアニソンとしてだけでない見方がされるかもしれません。違う視点で曲を聴く機会があるのはそもそも楽しいですからね。

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──例えばヒップホップにおいては「GENIUS」というサイトがあって、リリックやサンプリング元の解説といった楽曲の読み解きがファン主導で行われているのですが、そうした動きがアニソンの世界にも生まれたら面白いかもしれませんね。

大石 ただ、どれほどその動きが外側に広がっていくのか、というのも気になります。

もちろんコアなファンの間でアニソンについて解説しあう動きは今もあると思いますが、それだけでは広がっていかないのかもな、と思います。そうでない一般の方々にも楽しんでもらえて、具体的にお金になるような仕組みや文化ができあがってはじめて報われなかった曲たちを救うことができるのかなと。

具体的には堀江くんが言うように、クリエイター同士がここはよかったよねって言い合う会を大きな会場でイベントとして成立させたり、なんならライブイベントをZeppクラスで開催できるようになればいいですよね。アニソンを音楽として楽しむ面白さをもっと多くの人に知ってもらう機会はなんとかして増やしたい

──大石さんが出演された関ジャム(テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」)はまさしくそうした取り組みの一つと言えるのではないでしょうか。

大石 そうだと思います。僕らクリエイターにとって関ジャムさんの存在はかなりありがたい。専門的な解説をエンターテインメントにしてちゃんとマスに向けて発信していただけているし、関ジャニさんの熱意もすごい。

堀江 クリエイター同士が集まるだけではできない規模感の動きですよね。

大石流クロスワード作詞

大石 編曲スピードが神がかっていることで知られる堀江くんだけど、作詞や作曲もスムーズにいくのかな?

堀江 作詞は圧倒的に苦手ですね…(笑)。1、2年前は仕事で受けていましたが、今はなるべくお断りしています

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