きっかけは「祖母の介護」日本のVTuberが中国で築いたシンデレラストーリー
2021.12.26
毀誉褒貶の激しいVTuber・神楽めあ。日本でも中国でも活躍する先駆者としての彼女の歩み
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いまや日本や世界で、様々なバーチャルYouTuber(VTuber)が活躍していますが、神楽めあさんほど毀誉褒貶の激しいVTuberもあまりいません。
問題児、トラブルの種と敬遠するVTuberファンは少なくありません。検索すれば彼女が配信で起こした様々な事件がヒットします。実際、配信で見る神楽めあは口が悪く、アイドルのような他の女性VTuberたちとはほど遠い存在に見えます。
一方で、彼女と親しいVTuberたちは「神楽めあは天才」「真面目」「いい子」だと異口同音に彼女を褒めます。
中国の配信プラットフォーム・bilibiliでも早い時期から活動を始め、現在まで日本のVTuberとしてはトップクラスの人気があります。歌声も素晴らしく、そして何より可愛く、彼女を愛するファンは非常に多いです。
2018年6月末にYouTubeでデビュー。企業グループに所属しない個人勢ながら活動歴は長く、YouTubeのチャンネル登録者数は約30万人。
bilibiliでのファンは約87万人。2019年には大型イベント「Bilibili Macro Link 2019 广州」に出演。VTuberの部門が出来て最初の「Bilibili Live Star」に選ばれ、2020年にはソロライブを実施。
2021年に発表されたソニー・ミュージックエンタテインメントやbilibiliによる「バーチャルシンデレラプロジェクト」(通称・VCP)では先行デビューメンバーとして名を連ね、2022年には指原莉乃さん作詞楽曲の連続リリース、定期ライブや中国大型ライブコンサートへの出演を予定(関連記事)。
現在は同メンバーの花園セレナさん、緋赤エリオさんとともにVCPの番組としてYouTubeとbilibiliで定期的に配信しています。
日本・中国双方でこれほど有名なVTuberは珍しいですが、彼女の全体像を知る人はVTuberのファンでもおそらくあまり多くないでしょう。記者自身、今回のインタビューには不安がありましたが、始まってみれば、誠実にインタビューに答える姿に、不安が杞憂だったことがすぐわかりました。
配信で見る神楽めあさんそのままのテンションと面白さながら、貴重な証言が次々飛び出したインタビューの様子をお伝えします。
──この記事もそうですが、バーチャルシンデレラプロジェクト(VCP)以降、神楽めあさんは一般向けに露出する機会が増えているのではないでしょうか。
神楽めあ たしかに、そうかもしれないです。VCPがちょっと異質というか、クリエイティブ・ディレクターの指原さん経由の人たちにも知っていただく挑戦ができているのかなと感じています。
──VCPでの仕事は普段の配信とだいぶ違うと思います。
神楽めあ めっちゃやりにくいっすよ(笑)。
集団行動とか、朝から夜までとか、自分がやってこなかったことがいっぱいで。
けどあと一年、慣れていくしかないなと。自分を好きなファンの人に見たことないものを見せてあげられるんじゃないかなと思ってやってるから「ひとまずふんばろう!」みたいな感じです。
──VCPが発表された際は、大変驚きました。めあさんにお誘いがあったときの感想を聞かせてください。
神楽めあ あんなのドッキリですよね(笑)。
まず、1年間、(花園セレナさん・緋赤エリオさんの)二人と、追加のメンバーと、そして数えきれないスタッフの方と共に動いていくと聞いた時点で、今まで生きてきてそんなことしたことないから「絶対無理じゃん、100%無理じゃん」と思ってすっごい悩んだんです。
でも、bilibiliでファンの人たちがいっぱい応援してくれてたおかげで、VCPを発起した方々の中で「神楽めあはどうだ?」って私の名前が挙がったということですから。
bilibiliは海外、中国なので、恩返しの仕方って難しいじゃないですか。私は中国語を上手くしゃべれないから、みんなとコミュニケーションをとるのも難しい。そうなるとダイレクトな恩返ししかできないから、参加させてもらえるなら是非したいなと思って、参加を決めました。
──花園セレナさん・緋赤エリオさんとユニットを組んで定期的に活動するようになりました。ユニットで活動を始める前の2人への印象はいかがでしたか?
神楽めあ 初めましてがVCPの最初の収録現場だったんですよね。
実際に会ったらコミュニケーションを取らないわけにはいかないじゃないですか。だから、けっこう勢いでいけた感じはありました。
(事前の印象は)一言もかわしてなかったようなものだったので特になく、「セレナちゃんとエリオちゃんね」みたいな感じでした。
──ユニットでの活動も1ヶ月経ちましたが、お二人とは仲良くなりましたか?
神楽めあ 二人はもともと知り合いだったみたいで、仕事の前後でごはんに行ったりしてるみたいです。
VCPのマネージャー陣がコミュニケーションが足りてないのを危惧して三人揃ってごはんに連れていってくれるんですが、わたしはまだそれくらいです。まあ、これからですね(笑)。
──VCPの番組で他の二人と比べて意識してるところはありますか?
神楽めあ 「呼ばれてるからには爪痕を残すぞ」ってのはあります。
はねるちゃん(因幡はねる)やたまきちゃん(犬山たまき)に何回も呼ばれていろいろな人の前で一時間盛り上げた経験は他の二人よりも多いので、自信があります。だから死ぬ気でよくしゃべろう、っていうのはあるかもしれないです。
(注)因幡はねるさん、犬山たまきさんはともに複数のVTuberをゲストに呼ぶ企画で有名なVTuber。神楽めあさんはその定番ゲストの一人でよく参加しています。最近の企画は以下
──クリエイティブディレクターの指原莉乃さんや番組で共演している岡田康太さん、森本晋太郎さん、最近ゲストに来られたミライアカリさんなど、これまでいろいろな方とお会いになられたと思います。それぞれ印象はいかがでしょうか?
神楽めあ 岡田さんと森本さんの二人は、さすが芸能人って感じです。芸人さんってあまり関わったことがなかったんですが、一しゃべったら十返ってくるみたいに止まらなくて、不思議な感じがします。すごいっすね、やっぱ。
(注)VCPの番組は、芸人でYouTuberの岡田康太さん、お笑いユニット・トンツカタンの森本晋太郎さんがMCをつとめ、岡田さんの自宅をスタジオに配信・収録しています(外部リンク)
アカリちゃんも「VTuberの大先輩だ」って思ってたんですけど、タレントさんやお笑い芸人さんがいる環境だと、アカリちゃんもタレントみたく場慣れして柔軟性がすごくて「アカリちゃんすごい。私もこうなれるのかな?」と感動しました。
(注)インタビュー時には未公開でしたがVCPの番組にミライアカリさんがゲスト出演しています
神楽めあ 指原さんについては、YouTubeやテレビで見てる感覚でまだ現実感がないですね。
でも指原さんは私も好きな「=LOVE」(イコールラブ)とか「≠ME」(ノットイコールミー)でも歌詞を書いてるから、VCPで歌詞を渡されて「すごい、さっしーだー! 本物じゃーん」「このプロジェクト、一年頑張ろう」ってなりましたね。
(注)「=LOVE」「≠ME」ともに指原莉乃さんがプロデュースするアイドルグループ。ほとんどの楽曲をVCPと同じく彼女が作詞しています。二人の初対面の様子はVCPの番組で公開されています(外部リンク)
──VCPの番組では滝行やすべり台、部屋で宝探しなど、いままでのVTuberの企画で見られないような映像がよく見られますが、めあさんの番組への印象はいかがですか?
神楽めあ 世の中には変な人がいっぱいいるんだなあって。
「なんでこんなことをやろうと思うんだろう……」って企画がいっぱいあるんですよ。視聴者のみんなもツッコミたいこともあると思うんですけど、みんな頑張ってつくってくれているし、「まあまあ、これはこれでいいでしょう」と。
でも、これだけじゃないからVCP、ていうのは伝えたいです。他にもいっぱい出していくから、これだけで私たちを判断しないでね、私たちはすべり台ですべってるだけじゃないからって。
──神楽めあさんは2018年6月末にVTuberデビューしました。どういった経緯だったのでしょうか。VCPの番組(外部リンク)でも、働くか家を出るかの二択を親に迫られていたなどの話をされています。
神楽めあ 当時は「この人生どう生きてこう」って悩んでいた時期でした。
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