Interview

  • 2025.08.29

「文化になるか、一発芸で終わるのか」AI×YouTuberの火付け役 Tokyo Ninjaが語る、覚悟と“笑い”の美学

時代と共に、YouTubeのトレンドも移り変わる。

長尺からショートへ、個人からグループへ、VTuberや切り抜き文化が登場したり──そんな中、2025年6月に突如として現れた“AI YouTuber”と呼ばれる「Tokyo Ninja」は、従来のYouTuber像を完全に覆す存在として、爆発的な注目を集めている。

「文化になるか、一発芸で終わるのか」AI×YouTuberの火付け役 Tokyo Ninjaが語る、覚悟と“笑い”の美学

ChatGPTGemini等の生成AIが社会に広く浸透しはじめてから約2年。「業務効率化」や「生産性向上」といった目的での利用が急速に普及する一方で、“物語”や“お笑い”などのクリエイティブ/エンターテインメント領域での活用はまだはじまったばかりだといえる。

そんな黎明期において、突如YouTubeに現れたのが「Tokyo Ninja」だ。

「琵琶湖の水を飲み干す」「富士山を削って標高を下げる」そんな“人間には絶対できない”企画をAI映像で表現する動画は、瞬く間に拡散し、中高生やYouTuberファンを中心に人気を獲得。

AIが考える「琵琶湖系YouTuber」

コメント欄では、動画を象徴する言葉「エグしゅぎ~~!」が飛び交い(今年の流行語も狙い得ると筆者は考えている)、SNSでは「マンホール佐々木」などのAIが生んだキャラクターがミーム化。さらに「Tokyo Ninja」のフォロワーとでもいえるようなAI YouTuberが多数登場する状況となっている。

今、YouTubeは“AI YouTuberムーヴメント”の真っただ中なのだ。

KAI-YOUは今回、そんなAIが生み出す新たなYouTuberムーヴメントを牽引する「Tokyo Ninja」の運営者に独占インタビューを敢行した。

目次

  1. 「ただの趣味」のはずだったのに、いきなり1000万再生
  2. AI YouTuber制作の裏側──8秒ごとに積み重ねる物語
  3. ネタの源泉は「コント」と「10年前のYouTuber」
  4. あの人気キャラクターはこうして生まれた──“マンホール佐々木”現象
  5. 「AIで楽して稼ごう」は向いてない AI YouTuberシーンの広がりと難しさ
  6. 不自然さは“味”なのか? AI YouTuberならではの魅力とバランス感覚
  7. ある大物YouTuberとの交流──大御所から届いた一通のDM
  8. 物語はどこまで続くのか? Tokyo Ninjaが思い描く未来と責任

「ただの趣味」のはずだったのに、いきなり1000万再生

――まずは「Tokyo Ninja」というチャンネルはどんなきっかけではじまったのでしょうか? まず、完全に一人でやられているのでしょうか。

Tokyo Ninja そうですね、完全に一人です。チームでも会社でもなく、完全な個人制作です。

まず僕の自己紹介をすると、普段は普通にサラリーマンをしています。映像業界でもなければ、これまでYouTubeに動画を投稿したこともありませんでした。まったく関係ない職種で働いています。

僕の仕事は、一言でいうとITコンサルです。最近は生成AIをどう企業に導入するか、どうカスタマイズするかという支援を企業向けに行っています。ChatGPTや画像生成AIを使って、業務フローに組み込む。その設計や導入を担当しています。

だからAI自体は仕事でずっと触っているんですけど、かなり“堅い使い方”なんですよね。

「Tokyo Ninja」運営者

「Tokyo Ninja」運営者

――なるほど。かなりITリテラシーが高くないとできない仕事なイメージがあるのですが。

Tokyo Ninja いえいえ。社会人としてのキャリアもまだ浅くて、新卒入社で4年目の若造です。大学でもそういった勉強はしていませんし、エンジニアのようにコードを書いてシステムをつくったりとかもできません。

ただ、仕事でAIに触れる時間は少し長かったんです。画像生成AIやChatGPTが登場してから、今は2年くらいでしょうか。そこから毎日のようにAIに触れていると「AIをもっと楽しく使えないか?」という気持ちが生まれてきて。

僕が仕事で携わっているような効率化や業務改善を目的とするのではなくて、遊びや趣味でAIを使ってみたいと思ったんです

そう薄っすらと考えていた頃にGoogleの動画生成AI「Veo3」が登場して。これは映像をつくるだけではなく、音声まで出力できるという点が衝撃的でした。動画の中に、効果音や台詞まで入れた状態で出力できるんです。

そこで「ちょっと遊んでみよう」と思って、軽い気持ちでTikTokやInstagramに短いネタ動画を上げてみたんです。それで最初にバズったのが「琵琶湖の水を飲み干してみた」という動画でした。これがInstagramのリールで1000万再生を超えたんです。

――1000万再生……!?

Tokyo Ninja 自分でも驚きでした。完全に趣味で、深く考えずにつくった動画が、一気に広まってしまった。

するとコメントやDMで「YouTubeで長い動画も見たい」という声を大量にいただいて、それで「じゃあチャンネルつくってみようかな」と。本当に、はじまりはそれだけの話なんです。「Tokyo Ninja」という名前も本当にノリだけで、何も考えずにつけています。

――今では、YouTubeやTikTokに参入する際には最初からビジネスを目的として、野心的というか、戦略的にはじめることが当たり前になっています。はじめた理由もヒットも偶然だったんですね。

Tokyo Ninja 本当にそうなんです。野心的に「AIを使ったYouTuberとして生きていこう」とは全く思っていなくて……。あくまで趣味の延長です。ただそれが最初から爆発的に広がってしまったので、自分でも今の状況に驚いている感じです。

YouTubeも開設から1週間で数百万再生を突破して、すぐに登録者数も1万人を超えて。今はは10万人が目前という状況です。正直、自分が一番信じられていません。

AI YouTuber制作の裏側──8秒ごとに積み重ねる物語

――実際の制作はどのように行っているのでしょうか。様々なAIサービスや技術を高度に組み合わせているようにも思ったのですが……?

Tokyo Ninja いえ、使っているAIはほぼ「Veo3」だけです。すべての動画に「AIが考えた」という設定を使っているのですが、制作の行程として企画や脚本、キャラ設定はすべて僕が考えています。AIは映像化と、音楽生成を担うような形です。

――動画を観ていて「Veo3」を使っているとは思っていました。私も触ってみたのですが、あのツールでYouTubeの動画をつくるのはかなり大変ですよね……? 一体どのように使っているのでしょうか。

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