「誰よりも気持ち悪い存在でありたい」
2020.11.04
生身のYouTuberも含めたこれまでのインターネット文化に比して、「個人によるクリエイティブの発表の場」という属性の薄れたバーチャルYouTuber(VTuber)シーン。
あくまで個人制作のクリエイティブを展開する兄ぽこさんは、クリエイターとして、プロデューサーとして何を思う?
クリエイター
この記事の制作者たち
ショートアニメシリーズ「オシャレになりたい!ピーナッツくん」の制作者にして、バーチャルYouTuber(VTuber)のピーナッツくんや、自身の妹「甲賀流忍者!ぽんぽこ」のプロデューサーでもある兄ぽこさん。
インタビュー前編では、活動のきっかけから、企業参入の優位性の高いVTuberシーンにおいて、個人活動を貫き続けてきた理由を語った。
後編では、自らの理念と、個人VTuberに対して感じていることや成功するための提言を通して、プロデューサー/クリエイターとして見通している視野が明らかに。
目次
- 異形であることの自覚
- あくまでバーチャルYouTuberとしてYouTubeの世界で戦っていきたい
- 数少ない、尊敬できる天才たち
- バーチャルはすべてをポップにする
- 批評とメディアが追いつかなかった
──多くの企業VTuberが参入して幅をきかせるシーンの中で、兄ぽこさんとしては個人勢として、どこに勝機を感じているのでしょうか?
兄ぽこ そもそもどこで勝負するかって話なんですけど、僕らはYouTubeで勝ちたいと思っているんです。
──企業の方からはキャラクターIPとしての発展、つまりアウトプットをYouTubeの動画にこだわっていては駄目だという意見を聞きます。例えばゲームやマスメディアを巻き込んでのキャラクタービジネスとしての展開を目標にしている。兄ぽこさんは正反対の意見になりますね。
兄ぽこ それは最初期のブーム──ただのバブルに乗って、簡単にチャンネル登録者を獲得しすぎたからそう考えてしまうのではないかと思います。
今は動画としての面白さを評価されづらくて、キャラクターデザインが可愛いとか、なんか流行りそうみたいな雰囲気を持った人が頭角を現していく状況になっています。最初から努力が正当に評価されるような舞台ではないというのも確かなんです。
──MCバトルばかりが先行して話題になって、曲や文化自体が評価されづらいヒップホップに通ずるところがあるのかもしれませんね。
兄ぽこ 言われてみれば需要のされ方は近いかもしれないです。でも、ヒップホップアーティストの人たちはアンダーグラウンドな文化であることを踏まえた上で、自分の言葉で発信する姿がかっこいいですよね。
反面、VTuberは顔も出さないですし、自分の発言に責任も持たないっていう──冷静に考えたらそうとう気持ち悪いことをしているのにその自覚がない。VTuberである、ということに甘えている人が多すぎる。
本当は自分たちは大手を振って歩けるような存在じゃないって自覚していないといけない。そして、その異形性こそが面白さになると僕は思っています。
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