LGBTQ差別はなぜレゲエに深く根差してきたのか? ヘイト騒動に巻き込まれたMINMIインタビューも
2022.11.05
誰が想像しただろうか。2010年代後半から一気に、マリファナ解禁に世界の天秤が傾くことを。
欧米圏にとどまらず、アジア諸国でも勃興するマリファナビジネス。大麻とテクノロジーのマリアージュとは。
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この記事の制作者たち
「Weed」「Buds」「Pot」「Nug」「420」「Kush」。何のことを言ってるかわからない人、すぐにわかる人、それぞれいると思うが、これらは全部マリファナ=大麻を指す言葉だ。
このマリファナが、アメリカで合法的な産業として、グリーンラッシュと呼ばれるほどの巨大なマーケットに成長しているのをご存知だろうか。
大麻市場の調査を行うThe ArcView Groupのレポート(外部リンク)によれば、その成長スピードは、北米では2000年代のブロードバンドインターネット産業と並ぶほど。アメリカでの過去のどんな産業よりも速く成長していると言われている。インターネット並みってまじかよ。
2017年2月時点で、すでに全米28州と首都ワシントンD.Cで大麻栽培や使用が解禁となっている。
日本では完全に「ダメ、絶対。」な違法薬物として悪名高いマリファナ。定期的に有名人が逮捕され、ワイドショーで大々的に報じられる。
映された関係者やコメンテーターのシリアスな表情を見るたびに、あぁ、やめたくてもやめれない恐ろしい薬物なんだと、視聴者は自分を戒める。
しかしマリファナを取り巻く世界の情勢がこれだけ大きく動く中で筆者が思うこと。それは、日本人ヤバいんじゃね? ということだ。
マリファナ使用の是非とかではなく、これだけ日本と世界の認識がかけ離れていることを自覚していないこと、自分たちに与えられた情報が本当に正しいのかを考えてもいないことに、マジでゾッとするのだ。
アメリカにおけるマリファナの扱いはどうなっているのか。2016年までNY(ニューヨーク)に在住していた筆者が、目の当たりにしたことを踏まえてお伝えしたい。
※本稿は、2017年2月に「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの
取材・文:和田拓也 編集:新見直
目次
- マリファナの「グリーンオーシャン」に続々と参入
- 衝撃の大統領選の裏で、マリファナ愛好家たちが掴んだ勝利
- アメリカのリアルなマリファナ事情
- ポットヘッドたちの仕入れ事情
- 知らないとクラスで乗り遅れる、マジでヤバいマリファナアプリ6選
- 今この瞬間も新たなマリファナビジネスが生まれている
2016年の北米における合法マリファナ産業の収益は67億ドル(7,716億円)。2019年には嗜好用マリファナの収益が医療用の収益を追い抜き、2021年まで毎年25%の成長を維持して収益は210億ドル(2.4兆円)に達すると予測されている。
コロラド州ではディスペンサリー(マリファナショップ)が900を超え、マリファナビジネス関連のスタートアップの数も100以上となった。
ラッパーのスヌープ・ドッグが立ち上げたマリファナブランド「Leafs by Snoop」や、女優のウーピー・ゴールドバーグが手がける女性用医療用マリファナ製品ブランド「Whoopi & Maya」など、スタートアップのみならず、セレブリティもブルーオーシャンのマーケットに続々と参入している。
マリファナビジネス市場の著しい成長は、やはりアメリカ国内での合法化の流れによるところが大きい。
2017年、第45代アメリカ合衆国大統領となったドナルド・トランプ。衝撃的な結果となった2016年11月の大統領選、実は同じ日にアメリカ各州でマリファナの合法化に関する住民投票が行われていた。
結果は、新たに医療用マリファナが4州、嗜好用はド本命のカリフォルニア州を含む4州で合法となり、アメリカのポットヘッド(マリファナ常習者)たちはトランプ当選の裏で「大勝利」を掴んだ。
現在では、首都ワシントンD.Cと28州で医療用が合法。嗜好用は2012年のワシントン州から始まり、首都ワシントンD.Cと8州が合法となっている。
トランプ自身がマリファナの合法化に対して否定的※1なため、先行きが不透明なところもある。しかし、合法化することで州が受ける莫大な経済的恩恵は、大きすぎるメリットだ。
2014年に嗜好用マリファナを合法化したコロラド州では、2015年のマリファナの売り上げが医療用、嗜好用合わせて約9億9千万ドル(約1,140億円)、1億5千万ドル(約168億円)の税収を得ている。
そういえば、「トランプが大統領になったら、マジでアメリカ人やめてカナダに行く。Weedも合法になるしな」って昔言ってたクラスメートのアンソニー、元気かな。
※1:マリファナ合法化に反対しているジェフ・セッションズを次期司法長官に指名している
アメリカではひとつのカルチャー・ライフスタイルであるといっても過言ではないマリファナ。筆者もNYに住んでいた際、「みんなカジュアルに吸いすぎじゃ?」と驚いた。
「ちょっと最近ストレスで...」と病院に行き、メディカルカード※2を発行してもらってそれで購入、なんてやり方は他州ではごく一般的。
「タバコは吸わないけどWeedは吸う」なんて人たちや、ちょっと真面目な女子学生が、パーティーでドキドキしながらマリファナを吸う、なんてのもよくあることだ。
「俺が焼いてきたんだよ!」と友達が持ってきたクッキーがマリファナ入りだったことも一度ではない。クラブやパーティーでもあの独特な匂いがしないなんてことはまずないし、夜になると道端でもあちこちでプンプン匂ってくる。
※2:マリファナメディカルカード。アメリカで医療用マリファナを手に入れるために必要。病院で診断してもらい、一定の基準を満たすと発行してもらえる
NYでは嗜好用のマリファナは違法だ(現在は「非犯罪化」されているが合法ではない)。とは言っても、実際はあってないようなもの、とまではいかないが、25グラム(1オンス)以下の所持なら罰金で済んだ。違法だけど簡単に手に入るという意味では、日本で言う無修正ポルノのようなものだ。
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