あなたが正しいと信じる選択を『チキンがおいしいレストラン』
2020.01.30
さる12月6日、改正大麻取締法が参議院本会議で賛成多数で可決・成立した。大麻が原料となる医薬品の使用を認めるほか、大麻使用罪の創設を盛り込んだものになる。
大麻の動向を多角的にリポートしてきたこの不定期連載も9回目。第8回で話を聞いた美容用品の製造販売をメインに行うCBD業者は、この度の法改正「業界的にはプラスでしかない」と喜びの声をあげていた。
一方で、国内で違法大麻に携わる裏社会の人間は今何を見て何を思うのか? アメリカ、タイの現状と合わせて日本の大麻の現在的状況について、新宿を拠点に暗躍する現役の半グレで、タイの大麻産業にも精通した人物に話を聞いた。
目次
- 変革は日本だけではない 大麻を巡る世界的潮流
- THCが濃ければいいってもんじゃない。大麻もカッコよく
- 細分化していく大麻製品 現在の流行りは「生搾り」
- 激動の合法化から1年 激動の「タイ」マーケット
- 世界のマリファナの動向を見据えたX氏が描く、青写真
以前から大きく報道され成立は既定路線だったとは言え、ついに日本で改正大麻取締法が賛成多数で可決・成立した。アメリカは全土にまたがる「連邦法」としては依然として医療用大麻であっても違法だが、温度差はあれ今やほとんどの州は少なくとも医療用大麻は合法化している。

2017年頃から大麻解禁とそれに伴うスタートアップの乱立といった急激な流れを指す「グリーンラッシュ」は、連載開始当初からこの場でも度々話題にしてきたことだが、月日が経った現在、アメリカの大麻事情はどうなっているのだろうか。
「まず、とにかくエディブル(大麻の加工製品)が豊富っていうのがありますよね。マニアックな話をしようと思えばいくらでもできるくらい種類が色々ある。ただその中で日本にはない流れのひとつを挙げるとすれば、エディブルに限らずですが、大麻があらゆるフェイズにおいてカジュアルになっているということ」
これが半グレX氏の談である。大麻があらゆるフェイズにおいてカジュアルになっているとは、どういう意味なのか。
「例えばですが、4〜5年ぐらい前、大麻のワックス(成分を濃縮した固形物)がすごい流行ってたんですよね。みんな『ダブ』っていう(両手を広げて)でかいパイプで、THC80%くらいのを吸引するみたいな流行がアメリカで起きた。ガツンとくるやつを好む人たちが、一時期たくさん出てきた。
ただその当時は、合法化して裾野が広がる一方で、アメリカでも大麻愛好者、THCの濃度ばかりを追っかけている人たちは特にですが……ちょっと変な人みたいな扱いでもあったんです」
確かに、そもそも大麻が違法である日本の感覚で考えれば、余計にそう思える。大麻で心臓は止まらないかもしれないが、そのまま倒れたり気絶するように寝てしまうのであれば、それも十分OD(オーバードーズ)と言えるだろう。
「今は、その頃よりもっと広がったんですよね。大麻はやったことあるけど効きすぎちゃって面白くないとか、量はそこまで取りたくないとか、たまに夫婦で楽しみたいとか、そういうときにできるカジュアルなものの一つ、という感じになってます」
ガンギマリを追求する傾向はクールではなくなったということだ。
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