セカイ系と日常系という物語は、なぜ生まれる必要があったのか──オタク的“終末の歩き方”
2023.09.10
VTuber関連トピックをピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『VTuber経済ニュース』。
グリーグループのVTuber事業について解説。
バーチャルYouTuber(VTuber)関連トピックをピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『VTuber経済ニュース』。
第21回は、グリーグループのVTuber事業について解説する。
目次
- 6年前からVTuber事業に参入したグリー
- プラットフォーム「REALITY」 Vライバーの急増
- ディー・エヌ・エー傘下の競合IRIAMと比べたREALITYの独自性
- REALITY Studiosのタレント事業 新規事務所も増加中
- 企画配信も魅力のFIRST STAGE PRODUCTION
- 型破りに活動? リアルイベントに注力か Vebop Project
- 今年デビュー予定のすぺしゃりて
- 人気の高いVSingerが多く所属 RKMusic
- 技術でメタバースとXRを支えるREALITY XR cloud株式会社
- イベント開催や所属VSingerの人気を活かせるかが、REALITY事業の鍵
グリー株式会社は、日本ではまだまだソーシャルゲーム関連企業の印象が強いと思うが、2018年よりVTuber事業に参入。参入初期では、VTuber事業などに100億円規模の投資をすることでも話題になった。
新会社としてREALITY株式会社(旧Wright Flyer Live Entertainment、WFLE)を設立。プラットフォーム型アプリケーションであるREALITYをリリースし、近年はメタバース事業にも注力してきた。
一方で、2023年3月にはREALITY株式会社の事業を分社化し、REALITY Studios株式会社やREALITY XR cloud株式会社、BLRD PTE. LTD.を設立。
これまでグループが行ってきた、バーチャルタレントのマネジメントやプロデュースをREALITY Studios株式会社に引き継ぎ、XRに関する研究などをREALITY XR cloud株式会社に集約。また、BLRD PTE. LTD.にWeb3の事業を移管した。
REALITYはデジタルアバターを用いて、生配信の配信/視聴、ゲームなどができるプラットフォームだ。
REALITYやIRIAMなどのプラットフォームでアバターで生配信を行う配信者のことを「Vライバー」と呼ぶ企業が増加しており、近年勢いが増している。なお、REALITYを専門に活動するVライバー事務所としては、REALISERやLiveSeederなどがある。
Vライバーが所属する事務所の数は、掌握できないほどの乱立状態にあり競争が激化している。日々、新たな事務所が創設されている一方で、閉所や所属するVライバーの退所もSNSでは絶えず聞こえてくる。
なぜ乱立状態にあるのかについては、筆者の仮説であるが参入障壁の低さが原因になっていると考えられる。
まず通常、VTuberの多くはLive2Dまたは3Dモデルを新たに準備する必要がある。これには1体で数千円から数十万円の費用がかかる※。VTuberを多数デビューさせるためには、当然その都度コストがかかるのだ。
※モデルに対する費用はLive2Dか3Dか、どのようなツールを使うかで決定的に異なる。極論、運用者の技術力が高ければ自作が可能であるため、コストは比較的安く済む。一方外注した場合、クリエイターの技術力などに応じて費用は高くなる
さらに、YouTubeやTwitchなどで生配信するにはOBS Studioなどの配信ソフトウェアや、モーションキャプチャ―などの専門知識や機材が必要になる。生配信にはある程度のハードルがあると言えるだろう。
REALITYの場合、無料でアプリ内で簡単にモデルを作成することができ、生配信やモーションキャプチャーもすべてスマホのアプリ内で完結する。ローコストで専門知識も必要としない。
配信経験のない個人でも参入しやすく、企業もコストが低いことで多数のVライバーを取り扱うことが出来る。
VTuber事務所・にじさんじの運営会社ANYCOLOR株式会社が毎期決算資料の中で、「各VTuberがそれぞれにファンを抱えることで、幅広く各VTuberに収益基盤が分散している」と説明しているように、企業に所属するVTuberの数は多ければ多いほど、収益のリバランスができる。
REALITYのように1人当たりのコストを減らし、多数のVライバーを所属させることで収益機会を得やすくなるのは、企業にとってメリットといえるだろう。
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