Vol.4 続『Eve Online』 重力から自由になりたくて、遊びはじめたはずだった

Interview

Series

  • 2019.07.25 19:30:00

重力から解き放たれたいと願って手にとった『Eve Online』。拡大する組織は、次第に現実と“相似”の様相を呈するようになる。

ゲームが現実に近づいた時、プレイヤーは選択を突きつけられる。

Vol.4 続『Eve Online』 重力から自由になりたくて、遊びはじめたはずだった

『EVE Online』画像出典:Steamの『EVE Online』ページより

この連載の前回で、私は『Eve Online』について、「この作品における経済は、それが経済と呼ばれることからもわかるとおり、生産と消費のサイクルから成っている」と述べた。

また、その経済は、「徹底的に『宇宙船』という概念に的を絞っている」とも述べた。

この作品でプレイヤーが購入/販売することができるのは、世界観にかかわるいくつかのロア・アイテムをのぞいて、すべてが『宇宙船』にかかわるものばかりである。

どれだけISK(インターステラークレジット。ゲーム世界内の通貨単位)を稼いだところで、その資金は最終的に、宇宙船を購入するための資金か、あるいはもっとISKを殖やすための元手として消費される。

それが本作のコアデザインである。つまり、この作品のなかで金を稼ぐ目的は、デートの軍資金や結婚式の費用、家族サービスのためのレジャー費、子供の学費や自身の医療費、電気、ガス、水道代、光通信費などを支払うためではない。

本作における金はすべて、大口径の砲門を備えた巨大な宇宙船を購入するためか、あるいはもっと金を稼ぐためにある。

したがって、各々のプレイヤーのハンガーには、きらきらと光る新品のおもちゃのような、ピクセルの宇宙戦艦がずらりと居並ぶことになる。

そして、これまで日本人プレイヤーが対人戦に手を出してこなかったのは、こうしたおもちゃを失うことが、ひとえに怖かったからなのだと思う。

しかし、きらきら光るおもちゃをハンガーに収納して眺めるために、わたしたちはゲームをプレイしていたのだろうか。

おもちゃは壊れるほど遊ぶためにあるのではないか

もちろん、眺めるだけというプレイスタイルもあるし、尊重はする。ただ、それは私のプレイスタイルではなかった。

いわば、私は、私の戦争体験が欲しかった。

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これは“ゲーム”の話ではない

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