LAM インタビュー「僕は天才ではない、だけど──」
2020.11.21
都合のいい希望的観測は、何も生み出さない。
実践のみが、未来に種を蒔く。
クリエイター
この記事の制作者たち
アニソンがJ-POPの地位を脅かし、先進性という意味合いでは追い抜いてすらいた黄金時代を経て、アニメ関連のライブがドームクラスの会場で開催されることも珍しくなくなった現在に繋がる。
市場が拡大しているように見えても、その根幹を支えるアニソンクリエイターたちには十分な還元があったのかというと、そうではなかった。
大石昌良さんと、ロックバンド・UNISON SQUARE GARDENのベーシストであり作曲家である田淵智也さんという稀代のクリエイター2人によって紐解かれていくアニソン界の歴史と問題。だがアニソンが未来のないカルチャーなのかというと、決してそうではない。
手放しに明るい未来を信じるのではなく、シーンを支えてきたからこそ描ける具体的な道筋。まだアニソンが失っていないその可能性。
ホスト:大石昌良 ゲスト:田淵智也 取材・執筆:オグマフミヤ 撮影:I.ITO 編集:新見直
目次
- お互いの曲を聞くのは怖い
- アニソン界を生き残る才覚
- アニソンへの恩返しを
- 理想の現場をつくるために
- サイン色紙をプレゼント
大石 たくさん曲つくってる人って、形式ができてきて、どんどん表現の幅が狭まることもあるけど、田淵くんは全くそんなことないよね。
田淵 自分としては、毎回戦々恐々ですけどね。特に、歌詞が出るかなという恐怖が。記憶がすぐなくなるから、「このフレーズ、他の曲で使ったっけ?」とか不安に思ったりしますし。
ただ、最初に言ったように、作曲が趣味だからそこにかける時間が苦じゃない。それに、やるとなんとかなるという。
Q-MHz(キューメガヘルツ)というすごいチームに混ぜてもらっていて、あの方々の姿勢も励みになっています。たとえば畑亜貴さんは「私が歌詞を書けなくなることはない」と豪語していて、こんなにすごい人が頑張っているなら俺も頑張ろうという気持ちになるんです。
※Q-MHz(キューメガヘルツ)は、畑亜貴さん、田代智一さん、黒須克彦さん、田淵智也さんという、トップアニソンクリエイターによるプロデュース集団。アニソン界のドリームチーム
──いい刺激を与え合うチームなんですね。
田淵 もちろん大石さんの活動にも大いに刺激を受けるんですが、大石さんの曲も聴くのは怖いんですよ。どうせいい曲を書いているんだろうなと(笑)。
大石 僕も田淵くんの新曲聴くのは毎回ドキドキだよ(笑)。
田淵 大石さんは僕より年上なのでなんとか平静を保っていますが。単純に好きな作家の新しい曲を聴けるのは嬉しいですから、1ユーザーとしてはとても楽しませてもらってます。
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