Interview

  • 2023.06.02

ホロライブさくらみこは諦めない “エリート”VTuberの挑戦と哲学

風に踊る桜の花びらは、より美しく自由に舞う──。

ホロライブさくらみこは諦めない “エリート”VTuberの挑戦と哲学

ホロライブ0期生・さくらみこインタビュー後編

「誰からもエリートと思われるような唯一無二のトップエリート巫女アイドルになること! そしてずっとみんなを笑顔に出来るような人であり続ける事!」そんな夢を掲げるバーチャルYouTuber(VTuber)グループ・ホロライブ所属のさくらみこさん。

史上初となるロングインタビューの後編では、「さくらみこが考えるVTuberというエンタメ」というテーマの下、より深掘りをしていきます。

配信のチャット欄に投稿された視聴者のコメントから"撮れ高"が生まれ、切り抜き動画やファンアートなど二次創作との結びつきも強いVTuberカルチャー。

VTuberという新時代のアイドルは、タレントが視聴者やファンと共につくり上げていく物語にほかなりません。

その最前線に立つ"エリート"VTuberが語る、視聴者やファンと向き合う際の心がけとは。

目次

  1. さくらみこ「自分も元気を与えられる人になりたい」
  2. どんなときでも、35Pがいるから
  3. さくらみこ流、ファンとの向き合い方
  4. 笑ってくれる人がいるから“ポン”できる
  5. 「miCometはビジネス」と言い続ける理由
  6. 一番大事なのは「あきめない心にぇ」

さくらみこ「自分も元気を与えられる人になりたい」

──このインタビュー後編では、さくらみこさんがVTuberの活動を通して、視聴者や35P(=さくらみこさんのファン)を楽しませるため、どのように考えてきたのか聞ければと思います。まずは、5年近い活動の中で、自分にとってターニングポイントになったと思う出来事を教えてください。

さくらみこ ターニングポイントになったのは、やっぱり2020年の活動休止と復帰ですね。

35Pに対する気持ち・信頼感や自分への自信が大きく増していったというか。ファンへの向き合い方がすごく変わった出来事でした。

──2020年7月から10月にかけて、さくらみこさんは病気療養に専念するために一部活動が制限されていました。この期間には、雪花ラミィさん、桃鈴ねねさん、獅白ぼたんさん、尾丸ポルカさんらホロライブ5期生がデビューしています。

さくらみこ 当時はホロライブが波に乗ってきた頃で、新しいメンバーもたくさん入ってくれて、グループ全体がすごく盛り上がっていたんです。でも、みこはそのタイミングで3ヶ月も休むことになってしまって。

せっかく今まで、ほぼ毎日何時間も配信して頑張ってきたのに、「35Pも、盛り上がっている別の人のところに行ってしまうんだろうな」って落ち込んでしまったんです。

それでも「離れてほしくない」と思って絵日記をTwitterで始めることにしました。

──なかなかできることがない中でも、手描きの絵日記を投稿し続けられていましたよね。

さくらみこ 活動をしない間に、みんなに忘れられてしまうのが一番怖かったんです。でも、3ヶ月の休養が終わって、デビュー2周年と復帰記念を兼ねた3Dライブを配信したら、35Pのみんなが以前と変わらずに、ちゃんとそこにいてくれました

さくらみこさんのデビュー2周年&復帰記念ライブ

さくらみこ あのとき、35Pがずっと離れずに帰りを待ってくれていたことって、結構驚きだったんです。

根幹には、それこそ「自分はみんなにずっと一緒にいてもらえるような人ではない」っていう自信のなさがまだあって。「絶対どっか行っちゃう」と思ってたけど、そうじゃなかった。

この人たちは、本当に自分を好きでいてくれる」って、初めて確信を持つことができました。

──あの3Dライブは、トリに披露された「サクラカゼ」が印象に残っている人も多いのではないかと思います。

さくらみこさんのオリジナル楽曲「サクラカゼ」

さくらみこ あのステージで歌った「サクラカゼ」も、サビの“ありがとうだよ”“これからもっと咲かせるよ”という歌詞も含めて、本当に自分の気持ちそのままで。

それからは「この人たちにいっぱい恩返ししていきたい」「みんなに心配をかけるばっかりじゃなくて、自分も元気を与えられる人になりたい」と思って活動しています。

どんなときでも、35Pがいるから

──復帰後の活動にも大きく影響を与えた出来事だったんですね。

さくらみこ あと、他に忘れられないのはやっぱり、ロスサントス(編注:ゲーム「Grand Theft Auto」シリーズに登場するロサンゼルスをモチーフにした地域)ですね(笑)。全ロスと同じく、自分とは切っても切れないというか。

さくらみこさんの『Grand Theft Auto V』実況

さくらみこ 『Grand Theft Auto』シリーズは、自分に自信が持てる、殻を破るきっかけになったゲームでした。

あの実況配信を見た海外35Pが自分のことを「面白い」、自分のポカーンとしている顔も「いいね!」と言ってくれて。自分が「受け入れてもらえた」と思えたんです。

──素の自分を受け入れてもらえた?

さくらみこ VTuberって……みんなプロフィール(自己紹介)があるじゃないですか?

そこで「自分はこういう性格だ」「こんな存在だ」ということを書くと思うんですけど、最初は誰しも、「それに沿った活動をしよう」「そこから外れちゃいけない」って気持ちがあると思うんです。

さくらみこ[1]

さくらみこさんのプロフィール:電脳桜神社の巫女として真面目に神事をこなしてきたが、神にお使いを頼まれ日本に訪れた際(お使いをこなしていくうち、)「ときのそら」に出会い、憧れを抱きバーチャル巫女アイドルになることを決意し、日々奮闘中!『エリート』と自称しているが、ファンの間では『ポンコツ』という噂も…

さくらみこ でも、プロフィールって“プロフィール”でしかないじゃないですか。

──確かに。「自己紹介は見せたい自分であって、実際にはそこだけを見せられるわけではない」というのは、VTuber以外にも通ずる話かもしれません。

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