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2023.03.29
Dios・たなか氏によるゲームエッセイ。『ペルソナ3 ポータブル』から迫る、ゲームと現実との近似値。
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この記事の制作者たち
自分にとってのゲームの定義は「あるひとつのコアを無限に誇張し、そのほかの部分を削ぎ落としたデフォルメの世界」である──この連載においては何度も何度も繰り返している定義なので申し訳ないが。
コアというのはたとえば銃での撃ち合いを競うことだし、盤上でナイトを自在に動かしてキングを取ることだし、時にはどうぶつたちの暮らすのんびりした島で自分だけの豊かな家をつくることだったりする。だいたいどのゲームにおいても、微分しまくるとある特定のコアが現れる。
これまでこの連載で取り上げてきたゲームも、『Apex Legends』は撃ち合いの快楽(本題から逸れるが、実は特に銃弾が敵に当たった時のサウンドが快楽の大部分を占めているように思われる)だし、『unrailed!』は構成要素を極端に減らした空間で永久に線路を繋ぎ続けることだし、『かまいたちの夜』は取り消し不可能なはずの言葉を言い直せる世界である。
そういう黄金則の中で、今回取り上げるゲームはすこし異質である。
目次
- 10年越しに遊び直した『ペルソナ3』
- その体験は、救い的な何かである
- 「うまく人と会話ができない」友達の悩みに、ゲームのススメ
- アートの極地としての、ゲームと現実における“転用”
どう異質なのかというと、このゲームにはコアがふたつあるのだ。レベリングしてボスを倒しストーリーを進める、いわゆるRPG的な側面ともうひとつ、コミュニティと呼ばれる自分の周りの人々との関係を築き上げ、絆を深めていく恋愛ゲーム的側面。それが「ペルソナ」シリーズの大きな醍醐味である。
超大人気シリーズで、特に3,4,5あたりはかなり有名なのだが、基本的なフォーマットは踏襲しつつもそれぞれ異なる物語のテイストを持つ、かなり素晴らしい作品である。
中でも今回は『ペルソナ3 ポータブル』にフォーカスしたい。
かなり好きで中学校の頃(10年前!)にやっていたのだが、プレステ2が長野の祖母の家に置かれていたために里帰りした時にしかできなくて、エンディングを見ずにいたのが大変心残りだった。そのあと5にどハマりし、無印も2周したしロイヤルも2周してしまった。
今回3がSteamで配信されてPCでもできるようになったので、即購入してちまちまと進めている。
今プレイしてもストレスなく楽しめるというのは地味にめっちゃすごいことな気がしている。時を超えて楽しめるというのは素晴らしいし自分のつくるものもそうありたい。
普通のRPGにはあまり登場しない「時間」という概念が、ペルソナの世界には存在する。
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