「物語」は滅びない。エンタメが『ゲーム・オブ・スローンズ』を更新するには
2021.01.05
最初に結論を書いておきます。『進撃の巨人』って、エレンが神様になる物語じゃないかなーと思ってます。
「楽園追放」の話をしたときに、善悪の知識の実と生命の実を食べると人間も神様と同等となるという話をしました。
実は『進撃の巨人』って、重要な場面で「樹」が映ることが多いんですよね。
例えば、未だ謎に包まれた1話の冒頭などもそうなのですが、
(進撃の巨人1巻1話より)
決定的だったのは、始祖ユミルが巨人の力を得たシーンです。
(進撃の巨人30巻122話より)
仮に、これが生命の樹のようなものだとしたら、「座標」にて永遠の命を得た始祖ユミルの説明がつくんですよね。ユミルは永遠の命を得たが、善悪の知識がないため奴隷として働くしかなかった。
そして奴隷とは対極の存在であるエレンと、2000年の時を経て出会う。
……もう一度、エレンについて考えてみます。
生まれたときから自由である、それは分かった。
ではなぜ我々は生まれたのか。世界は“こんなふう”なのか。
それすら気に入らなかったらどうすればいいのか。
自由とは、選択肢の多い状態のことです。とすると、究極の自由とは、何でも選べる状態ということになります。
運命すらをも選択する立場、すなわち神様です。
具体的に言うなら、ユミルの力を借りて発動した「地鳴らし」は明確に運命を司る力ですね。
(進撃の巨人26巻106話より)
神が人を、この世界を創ったなら、そしてそれが許せないものなら、自分が神になるしかない。
最後に、この言葉でこの妄想を終わりにしたいと思います。『進撃の巨人』とは、自由を求め続けた者の神話である。
クリエイター
この記事の制作者たち
※この記事は期間限定でプレミアムユーザー以外にも開放されています。
様々なジャンルの最前線で活躍するクリエイターや識者を中心に、思想や作品、実態に迫る取材をお届け
様々な記事の中から編集部で厳選したイチオシ作品をご紹介
ラッパー/ライター/編集
現代の日本の音楽シーンを語るなら、ボカロ文化は不可欠。2020年代のボカロ曲において、音楽的な独自性はどこにあるのか? 柴那典さんが「MAJ2025」受賞候補曲から考えます。
ライター
『ブルーアーカイブ』の青い色彩設計、そしてエデン条約のストーリー。この2つを柱に日本のサブカルチャーがアジアにどんな影響を与えたか、韓国でどう花開いたかを紐解きます
ライター
ぶいすぽっ!所属の蝶屋はなびさん。普段から前向きな姿勢を崩さない彼女のひたむきさはどこから来ているのかうかがいました。格ゲートークも充実!
編集
語られざる、違法な海賊版トレーディングカードゲームの歴史。世界広しと言えども、この解像度でその歴史を紡げる人は、SF作家・ゲームコレクターである赤野工作氏しかいない。
編集
結局、同人誌って違法なの? 実在する「VTuber」の二次創作、もしかして肖像権侵害や侮辱罪に当たっちゃう? 令和版、同人文化への最新の法的動向を弁護士に根掘り葉掘り聞いてます。
編集
日本語ラップを、構造的に理解する──音楽としてでもライフスタイルとしてでもない、新しいヒップホップの解釈を提示してもらっています。
編集
オタク/ラップのトップランナーだからこそ語れる“ニコラップ”の世界。懐かしいだけじゃなく、今に接続される話になっています。
ライター・編集者
減らないVTuberの活動休止について、根本的な原因を九条林檎さんに聞きました。推しのVTuberがいる方は、ぜひ読んでもらいたい内容です。